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時刻は既に七時を過ぎていて、私は思わず悲鳴を上げた。
慌てて飛び起きると、部屋着を脱ぎ捨てて制服に手を伸ばす。
いつもより五分遅い。
きっと、朝食を食べる時間もない。
私は着替えを終えると、机の上に置いてあった鞄を手に取り、家を飛び出した。
「はっ、はっ、はっ」
息切れをしながら走り続ける。
後ろから迫る足音から逃げようと必死だった。
怖い。恐ろしい。なんでこんなことになったのか分からない。
「ひっ!」
誰かにぶつかった。
その衝撃で私は地面に尻餅をつく。
痛むお尻をさすりながら、顔を上げる。
そこに立っていたのは、黒いローブに身を包んだ長身の男。
フードの奥にある瞳は赤く光っていて、私を見下ろしている。
私は思わず叫んだ。
「こ、来ないで! 助けて!!」
すると男は、静かに笑みを浮かべた。
まるでそれが当然のことのように、自然な流れで私の首を掴んで持ち上げる。
足が宙ぶらりんになったまま、必死になって男の手を剥がそうとするけど、びくともしない。
苦しい。息ができない。
なんで私がこんな目に遭うんだろうか。
私は、普通の女子高生だったはずだ。
それなのに、どうして。
涙が頬を伝って落ちていく。
首を掴む手に力がこもり、徐々に気道が塞がれていき、呼吸ができなくなっていく。
「……ごめんなさい、助けて」
掠れた声で呟いても、男はニヤリと笑うだけだった。
そして、私の視界は真っ暗になる。