私の名前は白崎杏里。
どこにでもいる、ごく普通で平凡な高校生だ。
成績も運動神経も容姿も、特に秀でているわけじゃない。
趣味は読書で、休み時間はよく図書室で本を読んで過ごすことが多い。
友達は少ないけど、それなりに楽しくやってる。
そして今日も、いつものように登校して、授業を受けて、放課後は部活に行く。
「先輩! おはようございます!」
「おー、おはよー」
後輩から挨拶されて、軽く手を挙げて返す。
陸上部の練習は朝練があって大変だけど、その分だけやりがいもある。
そして何より、陸上は好きだ。
私にとって、走ることは呼吸と同じ。酸素がないと生きていけないように、走らないと生きられない。
だから私は走り続ける。誰のためでもない、自分のために。
そう思っていたんだけど、最近はちょっと違う。
走っている時、私の頭の中には一人の男の人が浮かぶようになった。それはいつも私の前を走り続けていて、なかなか追い越せない人。
彼はいつも私の先を行く。
いつの間にか、私の目標は彼になっていた。
彼の背中を追いかけて、私は今日も走る
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