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今回も楽しいお話ありがとうございました!!切り方がうますぎる!!めっちゃ続きが気になる!じゃぱぱさんかな…でも、口調がなんか違う気がするんだよな…続き楽しみにしてます!
ゆっくりと幕が開く。その先にあったのは、
俺が思ってた派手な舞台でも、観客席でもない。
——白い、何もない空間。
音も、匂いも、空気すらない。
ただ、無。
「……なんや、ここ。
ステージちゃうやん。どゆこと?」
一歩踏み出した瞬間、
空間全体に波紋みたいなゆらぎが走った。
その中に、
ぼんやりと“シルエット”が立っているのが見える。
さっきの影と同じ形。
あいつがここにおるんや。
「……お前、何者なんや。
なんで俺のこと知ってるみたいに……」
影は近づいてこない。
ただそこに立って、
俺をまっすぐ見ている気配だけがわかる。
すると突然、
白い空間に色がにじむように広がっていった。
——青と赤。
サーカスの色。
ピエロの色。
空間全体が塗りつぶされて、
ひとつの“記憶の映像”が目の前に浮かぶ。
それは——
サーカス団の練習場。
小さい頃の俺が跳び箱みたいな台に乗って笑ってる。
隣には、
同じ歳くらいのもうひとりの子ども。
ピエロの赤い帽子をかぶった子。
でも顔だけは、やっぱり光で隠されて見え無い。
だけど声だけが聞こえた。
「たっつん!いっしょに飛ぼ!!
上まで行くって、約束やろ!」
胸がズキンと鳴る。
——この声、
——聞いたことある。
——絶対ある。
たしかに俺は笑って返事している。
「いくで!!
次は一番高いとこまで飛んだるわ!!」
そして二人でステップを踏んで、
笑いながらブランコへ走っていく。
仲良しで、
楽しそうで、
“相棒”って言うんはこの子のとやと分かる。
だけど、映像はそこで突然ブチッと途切れた。
空間がまた白に戻る。
「……なんで途中で切れるんや……
その先に、何があったんや……?」
相棒の影が一歩だけ前に出た。
その輪郭は、少し震えてるようにも見える。
そして空間に新しい映像が浮かぶ。
——舞台裏。
——大きなハシゴ。
——高いブランコ。
——二人の影。
小さい俺の声が響く。
『……ほんまに行くん?
まだ練習足りんのちゃう?』
『へーきへーき!
たっつんなら絶対ついてきてくれるって!
だって相棒やもん!』
その瞬間、
映像が激しく揺れた。
高い場所。
風の音。
子どもふたり分のブランコ。
影の子の声。
『ほら、手ぇつないで!いっしょなら飛べるって!!』
次の瞬間——
バランスが崩れた。
ブランコが大きく横に振られ、
手が離れて、
叫び声がして……
映像が、真っ白に飛んだ。
胸の奥がズシッと沈む。
息が止まる。
「……もしかして……
俺……」
俺の喉がひきつって、声が震えた。
「……相棒を……落としたんか……?」
誰も答えてはくれない。
でも白い空間の静けさが、
肯定しているみたいに感じた。
影がふらりと揺れて、
胸元のカードを俺に向かって差し出してくる。
またや。
震えながら受け取って読む。
《たっつんのせいじゃないよ。
あれは事故だよ。
それでもキミはずっと、
自分を責めてた。》
胸が締め付けられる。
「……俺、忘れてたんか……
忘れなアカンほど……しんどかったんか……?」
涙が落ちる。
影は首を横に振った。
優しく、否定するみたいに。
そして、最後のカードを俺に渡す。
震える手で開く。
《でも、たっつん。
ひとつだけ、本当のことがあるよ。
“相棒はまだ終わってない”》
顔を上げた。
影はもう、すぐ目の前にいる。
輪郭がはっきりしていく。
まるで“顔”が浮かび上がろうとしてる。
「……お前……
本当は……」
そして、影がゆっくりと手を伸ばして——
指先が俺の頬に触れた瞬間。
ステージ全体が真っ黒になった。
視界ゼロ。
音もゼロ。
ただ、心臓の音だけが響く。
そして、暗闇の中で
影の“はっきりした声”が聞こえた。
——『たっつん。
つぎは“本名”で呼んでね。』
続けて、もう一言。
——『ずっと、お前の相棒やから。』
光がパッと弾けた。
視界が戻ると——
影の姿はどこにもなかった。
残されたのは、
一枚だけ落ちているカード。
そこには、見覚えのない名前が書かれていた。
たっつんがずっと忘れていた——
たった一人の“相棒の名前”。