すっかり闘志に満ちた顔になりお気に入りの
制服『世界制服』を着て口にパンケーキを
咥えたカムイちゃんは言いました。
 「行ってきますよォダーリン。」
 カムイちゃんは四足で地に足をつき
言いました。
 カムイちゃんうっかりベアーだから
忘れてました。
 自分がクマで四足歩行で動いた方が圧倒的に
強いことを。
 少しかしこくなりましたね、えらいです。
 ダーリンはカムイちゃんの顔を見ずに
 「おう、パンケーキ作って待っとくわ。」
 といって丁寧に包丁の手入れをしました。
 カムイちゃんは四足歩行でゆっくりと
 自分をわからせた宿敵どもをわからせに
いきました。
 【午後5時、図書館の芝生の上】
 カムイちゃんは大きく息を吸い、吼えました。
 「でてこいやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
 すると、黒い雲がごろごろと鳴り出し、
 赤い血のような雨が降り注ぎました。
 しばらくすると
 雨の日のレイニーとギンジローちゃんの頬
ペロで進化したロボ、ガチロボの神身合体。
 ブラッドレイニーがカムイちゃんの背後に
あらわれました。
 「ピピ…..ピピピ……勝率…..0.001%。」
 「……一瞬でわからせる。」
 ブラッドレイニーは途方もなく集中しています。
身体中の肉が、骨が、血が、汗が、ガチロボによって最適化され、血液がとてつもなく濃くなったことで、彼は身体中から、 赤い血のような汗を流すようになりました。
 彼らは低く、低く。
カニのような低い姿勢で構えました。
 今の万全のカムイちゃんに余計な小細工は
一切通用しません。
 なので彼らはより純粋に力を、力を、力を
蓄えました。
 どれ程の長い時間が経ったでしょうか。
 カムイちゃんは動かずに力を、怒りを、
蓄えました。
 ブラッドレイニーはカニのように低い構えから素早くカムイちゃんの腰を掴みました。
 「クマッ…..クマッ…..バッ!!!!???」
 どういうことでしょう。
ピクリとも動きません。
 カムイちゃんはブラッドレイニーを殺気で
わからせながら目にも止まらぬ速さで彼を
投げました。
 どのように投げたのか私でも分かりません。
 見えませんでした。
 ブラッドレイニーは気付くと芝生に這いつくばりわからされていました。
 もはやレフェリー君など必要のないほどに
 わからされてました。
 そんな状況に、敗北者であるはずの彼らは。
 「…..クソゲーじゃねぇか……!!!!!」
 と悔しそうに嬉しそうに笑いました。
 すでに地に付した敗北者など興味のないカムイちゃん。
 カムイちゃんは最後の獲物、ギンジローちゃんを屠りに、ゆっくりと、ゆっくりと
 カムイちゃんの故郷である《奈落山》へと
向かいました。
 
 







