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佐野「」
山中『』
山中side
柔太朗は洗濯物をたたみ終えると、夜にする予定の記念日のパーティの準備をする。
部屋を簡単に飾り付け、料理を作り、ちょっとつまみ食いをしているともう夕方になっていた。
『よし!準備も全部終わったし、あとは勇ちゃんを待つだけ!!』
『勇ちゃん、ちゃんと帰ってきてくれるといいんだけどなぁ、、。』
柔太朗はテレビをつけてためていたドラマやバラエティ番組の録画を消化していく。そしてあっという間に夜になっていることに気がつくとスマホの連絡アプリを開き、勇ちゃんの文字を押す。
《今日は何時に帰ってこれるの?》
しばらくすると
〈ごめん、今日も遅くなる。〉
〈本当ごめん〉
《OK、気をつけて帰ってきてね》
〈ごめん。ありがとう〉
柔太朗はご飯にラップをかけ、少し外に出かけることにした。
そういえばケーキとか買ってなかったな…
外に出てきて良かったかも…
勇斗の帰りが遅くなったことに少し感謝して、ケーキ屋に入り、ケーキを買って外に出ると、信じられないような光景が目に入ってきた。
『え、勇ちゃん…と女の人…?!』
『うそッ、でしょ。』
『それは、さすがに記念日にすることじゃないよッ…。』
裏切られたという怒りと、やはり自分では満足させてあげられなかったという悲しみから柔太朗の目からはボロボロと大粒の涙がこぼれて来た。
柔太朗は勇斗に見つかる前に気づかれないように走って家に帰った。
佐野side
最近柔太朗とまともに会話ができていない気がする。
ドラマやバラエティ番組の撮影で忙しいっていうのもあるが、ここのところ厄介なやつに目をつけられている。
「だから!!俺は彼女作らないって言ってんじゃないすか!!」
[でもやっぱり、私と付き合ってみたら考え変わるかもよ?]
「いや、俺はもう、」
「今日だけはホントに勘弁してください、予定あるんです!」
[えー。じゃあ、途中まで一緒に帰ってくれたら帰してあげる!]
「本当ですか、?」
「途中までですよ、」
[やった!ありがとー♡]
こんな感じで毎日毎日この女優に付きまとわれている。
たかがドラマで共演しただけの関係で俺のことも何も知らないくせに。好いてくれてるのはめっちゃありがたいことなんだけど、さすがにコレは、、
正直に言うとめんどくさい。
何より、俺には柔太朗という可愛い可愛い彼女がいるというのに…!!
早く帰って柔太朗とイチャイチャしたりラブラブしたりするはずだったのに、なんでこんなヤツの相手ばっかしなきゃいけねぇんだよ!!
こんなヤツと一緒にいる所を柔太朗に見られたりでもしたら、俺史上最大の人生の危機!!
早くコイツ追っ払って帰らねぇと……!!
結局勇斗は女優を家まで送るはめになり、猛ダッシュで家に帰る。
「ただいま〜」
「あれ?柔太朗?」
いつもなら玄関まで元気に迎えに来て、抱きついたりキスしたりしてくるはずが、物音ひとつ聞こえないことを少し不思議に思いながらリビングのドアを開ける。
するとダイニングテーブルの前でイスに座ってなにやら高級そうな紙袋を抱えた柔太朗がいた。
「あ、いた」
「ただいま柔太朗…ってあれ?もしかして寝てる?笑」
「こんなに沢山メシ用意してくれて、疲れちゃった?ありがとなぁ、ふふっ」
「ほんっと、柔太朗は可愛いなぁ♡」
そう言って柔太朗の頬を撫でると、目元から顎の辺りまで光る痕が伝っているのに気がつく。
「あれ?この痕、柔太朗もしかして泣いた?」
勇斗は涙の痕をなぞるようにして親指で撫でると、柔太朗がぼんやりと意識を取り戻していく。
『んぅ…ふあぁ…ってあれ?勇ちゃん!?帰ってきてたんだ、おかえり!!ってごめん寝ちゃってた、』
『プレゼントもちゃんとサプライズみたいにして渡そうと思ってたんだけどね、!ごめんね』
「いや、大丈夫。ってかそれより」
「お前もしかして泣いた?」
『へぇっ!?』
『いやっ!!別にそんなことはっ』
「そういうのいいから、隠すなよ」
「俺は柔太朗を心配してんだよ」
『……っ』
勇斗がそういうと柔太朗は目を逸らして黙りこくってしまった。
勇斗が柔太朗の頬に触れると勇斗の手に大粒の涙が垂れ流れてきた。
コメント
1件
いやー、このエピソード切なすぎるわ…!柔太朗が記念日頑張って準備してるのに、勇斗の遅くなる連絡でちょっと寂しくなって、さらに外で女の人と一緒にいるの見ちゃうとこ、胸がギュッてなった。でもその後勇斗sideで、あの女優がしつこく付きまとってるだけで、柔太朗のことめっちゃ大事に思ってるのがわかって、もう「伝われ!!」って画面に叫びたくなった。最後に寝てる柔太朗の涙の痕に気づく勇斗の優しさが沁みる…このすれ違い、どうなるんだろう、続きめっちゃ気になる🔥