テラーノベル
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キーンコーンカーンコーン
授業終了のチャイムが、戦いの終わりの合図のように鳴り響く。
・・・はぁ。
「楽しかったなぁっ・・・!」
全力を出し切った後の、心地よい痺れ。
周囲の空気が、明らかに変わっているのがわかる。
さっきまで「不登校の分際で」と冷ややかな視線を送っていた連中が、今は戸惑ったように顔を見合わせている。
私が一秒も迷わずに問題を解き進めるその背中に、得体の知れない「圧」を感じたんだろう。
教師は、教壇の上でまだ何か言いたげに口を濁らせている。
「……Amia、さっきの言葉、どういう……」
「先生、休み時間なので私の自由に過ごす権利があるはずです。定数の時間にどうぞ。」
私は前を向いたまま、短く、冷徹にシャットアウトした。
かつての「聞き分けの良いAmia」なら、彼の困惑を察してフォローを入れただろう。
でも、今の私にそんな義理はない。
私は立ち上がり、迷わず隣の席へ歩み寄る。
Yukiが、少し強張った顔で私を見上げていた。
私は彼女の机の端に、トン、と指先を置いた。
「……ねえ、Yuki」
「……うん」
私が小さく笑いかけると、Yukiの瞳に宿っていた怯えが、一瞬で驚きと輝きに変わった
私たちは、教室の重苦しい空気を切り裂くように、二人だけの会話を始めた。
周囲の視線はまだ刺さる。でも、今の私にはそれが「雑音」にしか聞こえない。
だって、私の物語の続きの色はちょっとずつ赤に向かい始めた木槿色《むくげいろ》
だから。
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