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#北朝鮮
SUJ 一等海尉
37
桜城
360
第三話 兵士
北朝鮮韓国侵攻計画まで残り一日
ソウル市のアパート。101号室の扉が開いた。出てきたのは荷造りをした亥、今日から韓国軍の兵士として兵役期間に入る。
亥は玄関前で振り向き母を見た。
「母さん、行ってきます。」
「…いってらっしゃい…気をつけて…」
母は今にも泣きそうな顔をしていた。亥が家を出て扉を閉めた瞬間、母は完全に泣き崩れた。亥はその事を知らない。
徒歩で数分、亥はソウルの韓国陸軍基地にやってきた。門前の警備兵に徴兵通知書を提示し基地内に入ると施設内のミーティング室に案内された。すでにそこには亥と同い年の青年たちが集まっており世の姿もあった。皆、亥と同じく徴兵されこれから兵役期間に入る若者たちだ。
亥は世の横に座った。
「よぉ、遅かったな亥」
「…荷造りが遅れた。」
「嘘つけ、ママと離れたくなかったんだろ?」
「それ、お前だろ?」
世は一瞬黙り、いつもの構い合いの雰囲気から真面目になり口を開いた。
「…当たり前だろ…誰が親元を離れて軍に入り喜べるんだよ…俺だって帰れるなら今すぐ母さんや家族の元へ帰りたい。それに、ここにいる皆が同じ気持ちさ。兵士ではなく普通の会社員として働きたかったよ…俺は」
亥は黙っていた。すると、その沈黙を破るようにある一人の軍人が入ってきた。
付き添いの兵士が起立と声を上げ、全員が立ち上がり御礼すると、着席しその軍人が皆を見渡しながら言う。
「私は教官の宗冥丙。韓国陸軍の軍曹で今日から諸君らの教官を務める。さて、諸君らは今日から韓国陸軍の兵士として数年に渡り兵役期間に入る。その間、受けてもらうのは本物の軍事訓練だ。祖国のため、愛する人をいざというとき守るために努力しろ。苦しいと思えば家族を思い出せ。苦だと感じるのは一瞬の感情だ。何より訓練でヘタれる奴は本物の戦場で真っ先に死ぬ。これをしかと心に刻め。以上 」
宗は話を終えると、部屋から出ていった。その後、亥たちに待ち受けていたのは身体検査と衣類や防弾具、銃といった国からの物資の支給品だ。
世と亥は同時に支給品の銃を受け取った。K-2アサルトライフルだ。
「うわ…すげ。雑誌でしか見たことなかったけどいざ本物の銃持つと…手が震えるわ…」
「あぁ…俺も。なんか、本物の兵士になった気分…」
「気分じゃなくて、俺らこれから本物の兵士になるんだって」
「………そう、だったな。」
亥と世は運良く同じ兵士用の部屋になった。亥は荷物を置くと支給された迷彩戦闘服に着替えてみた。服が変わるだけでこんなにも印象は変わるのか。
亥は固唾を飲んだ。この軍服に課せられる責任をまじまじと感じていた。すると、亥のスマホに通知が鳴った。伊からのメールで心配するメールであった。
「…伊…」
亥はすぐさま大丈夫、心配ないよ!と返信した。明日から訓練が始まる。亥はそう思っていた。しかし、明日から始まるのは訓練ではなく、本物の戦争だ。
【第三話 兵士】終
コメント
1件
いやあ、第3話、一気に空気が変わったな……。母さんとの別れのシーンがまずグッときたし、世との会話で同年代のリアルな心情がリアルに伝わってきた。でも何より最後の「明日から始まるのは訓練ではなく、本物の戦争だ」で背筋が凍ったわ。この一文だけでこれからの展開が一変する予感がすげえ。亥たちにどんな未来が待ってるのか、続きが気になりすぎる🔥