テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
47
106
触れてしまったもの
湯気の残る部屋の中。
静かになったはずの心の奥で、何かがひっかかる。
👁️🗨️はじっと動かないまま、その違和感を探すように目を閉じる。
「……何も感じないはずなのに。」
声は小さい。
「何か……当たったみたいで……気になる。」
形はない。
名前もない。
でも、そこだけが妙に残っている。
⸻
そのとき。
「👁️🗨️。」
声。
Ი𐑼はいつも通りそこにいる。
表情は一切変わらない。
ただ、静かに見ている。
「止まれ。」
短い命令。
でも今回は“切る”のではなく、“固定する”ような声。
👁️🗨️の思考が揺れたまま止まる。
⸻
「それは何だ。」
問いは責めではない。
ただの確認。
「気になるものの正体を言え。」
⸻
👁️🗨️は少し息を吸う。
「……わからないです。」
「でも、ずっと残ってて。」
言葉が途切れる。
「無視しようとしても、そこだけ……引っかかる感じで。」
⸻
沈黙。
Ი𐑼は少しだけ間を置く。
そして言う。
「それは“壊れた感覚”じゃない。」
「戻りかけている感覚だ。」
⸻
👁️🗨️の目がわずかに揺れる。
「……戻る?」
⸻
「そうだ。」
短く、はっきり。
「完全に無くなったわけではない。」
「今は“反応できる場所”が残っているだけだ。」
⸻
一拍。
Ი𐑼は続ける。
「気にするなとは言わない。」
「無理に意味をつけるな。」
「ただそこに置いておけ。」
⸻
👁️🗨️はゆっくり息を吐く。
まだはっきりしない。
でも、その“引っかかり”は少しだけ怖くなくなっていく。
「……置いておく、ですか。」
⸻
「そうだ。」
「今はそれでいい。」
⸻
静けさが戻る。
でも今度の静けさは、何もない空白ではなくて。
ほんの少しだけ“戻り始めた場所”の静けさだった。
コメント
1件
え、ちょっと待って…このエピ、静かに刺さりすぎなんだけど!!😭💕 「戻りかけている感覚」ってᲘ𐑼の台詞、めっちゃグッときた…完全に消えたわけじゃないんだって、そこからまた動き出す一歩みたいで。👁️🗨️の“引っかかり”が怖くなくなっていく過程、すごく丁寧に描かれててエモかったよ…。 名前も形もない「何か」を置いておくっていう受け止め方、すごく優しくて心に残った…!かほさんの言葉選び、雰囲気づくり、マジでずるい…✨次も楽しみにしてるね!!🌸