テラーノベル
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鰻重もみんなに喜んでもらって、私も久しぶりの味で嬉しい。
「クッソばばあ、来ないね」
メガネのお兄さんがトイレに行った時、永美が私たちの顔を見た。
「作戦会議中なんじゃないか?」
「諦めてくれたら一番だけどね」
早川さんの言うことも、永人さんの言うことも、その通り。
結局そのまま、作業は無事に終わった。
が……解散直前、早川さんの電話が鳴った。
「え……?一ノ瀬武夫?」
早川さんの口から叔父の名前が出て、私は驚きで固まる。
「記事をすぐに転送してください。連絡ありがとう」
通話を終えた早川さんは険しい表情で
「一ノ瀬武夫って?」
と私を見た。
戸倉兄妹も、私と早川さんを注視している。
「一ノ瀬武夫は叔父。父の弟で、病院で叔母たちと一緒に嘘をついた人。どうして?」
私の叔父だと聞いて、部屋の空気がガラッと変わる。
――美味しく食べ終えたあとで良かった
「今、会社からの連絡があった」
「うん」
「菊が俺のクライアントだとは、社内で当然何人かは知っている」
メガネのお兄さんが戻って来たけれど、空気を読んで静かに座った。
早川さんが“いいか?”という風に私を見たので
「いいよ、続けて」
と、私はオッケーと手でも合図する。
「査定に来たのは俺だが、書類を作るには複数チェックも必要だからな」
「うん」
「そのうちの一人からの電話。【青空奨学財団】へ、一億の寄付をした一ノ瀬武夫という人の記事がネットに出ているが、一ノ瀬菊の親か?住所が近くだったから気になった…という電話の内容だ」
「……」
――【青空奨学財団】へ、一億円の寄付をしたのは私だ
「【ひかりの本箱ネットワーク】へ行ったあと【青空奨学財団】へ行ったな?」
コクン……
「はっ⁉菊の寄付を叔父さんがしたことになってんの⁉」
早川さんの言葉に頷いた私の横顔に、永美の悲鳴のような声がぶつかった。
コメント
4件

はぁ〜💢 何がどうしてそんな事になってんの💢 永人さん、嘘を暴いて下さい🙏
途中でした💦💦💦 菊ちゃんの功績を横取り? ここは永人さんの出番だね!! 乗り込んで来ないと思ったら、こんなウソを💢
えー!?