テラーノベル
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千歳は大粒の涙をこぼし始めた。
『友達も知り合いもみんなおかしくなっちゃった! こんな術かからなきゃよかった!』
うわーっ! そうか千歳的にはショックだったのか、友達がいきなり自分に迫り始めて!
俺はなんとか千歳を慰めようと、千歳の背中をなでた。
「大丈夫、大丈夫だよ、少し距離離れたらみんな落ち着いたし、みんな友達として千歳のことが好きだよ」
背中をなでて、頭もなでて、おれは千歳をなだめつづけたが、千歳の涙はおさまらなかった。
『おっ、お前が大丈夫でよかった、ワシ、お前がおかしくなってたらどうなってたか』
ごめん実は大丈夫じゃないんだよ。俺は心底千歳にイカれてて、でもそれが普通だからいつもと変わらなく見えるだけなんだよ!
「落ち着いて、俺はとりあえず大丈夫だから」
『とりあえずじゃやだっ! 絶対大丈夫じゃないとやだっ!』
「絶対大丈夫だから!」
そう言ってなで続けていると、千歳はなんとか泣き止んだ。
そうか、俺は大丈夫じゃなきゃいけないのか……。
ああ、俺が千歳に恋愛感情を持ってると知られたら、俺は多分千歳に大丈夫じゃない相手とみなされるんだろうな……。
#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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コメント
1件
ああ、これは胸が締め付けられる話だった……。千歳ちゃんが「絶対大丈夫じゃないとやだ」って泣きわめくシーン、すごく切なかった。友達がみんなおかしくなっちゃったっていうショックと、その中で唯一「大丈夫」に見える主人公にすがる気持ち、よく分かる。でも主人公は実は一番イカれてて、それを隠して「絶対大丈夫」って言い切らなきゃいけない苦しさ……。この「絶対」という言葉の重みと、本当の自分を出せない葛藤が、この作品らしい繊細な心理描写だなと思いました。次が気になります。