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第一話 神社の御守り役
俺の名前は、一ノ瀬四季!
山奥の寂れた神社で、御守り役をしている。
つっても人が全然来ねぇ。
来るとしたら、お供物を持って来る爺さんくらいだな。
もっとも、その爺さんも先週から姿を見ていない。
境内の賽銭箱の階段に腰を下ろして、俺は空を見上げた。
四季「あ゛〜暇だ」
「腹減ったし」
四季がそうやって独り言を呟いていると、
鳥居下の階段から「カラン、カラン」
と上がって来る音がした。
その音に、俺は反射的に顔を上げた。
四季「……ん?」
この神社に来る人間なんて、さっき考えてた通り、あの爺さんくらいだ。
だが、その爺さんは鈴なんて鳴らさねぇ。
つまり——
鳥居の向こうから現れたのは、
見覚えのない影だった。
四季(……人?)
一歩、また一歩。
近づくにつれて、それが人間だと分かった。
だが、様子がおかしい。
服は裂け、土と血で汚れている。
肩で息をし、足取りはふらつき、今にも崩れ落ちそうだ。
四季「おい……大丈夫か?」
声をかけた瞬間、
男はようやくこちらを見た。
虚ろな目。焦点が合ってねぇ。
男は、呻き声を発っする。
「…あ…う…」
掠れた呻き声を最後に、
男の体から一気に力が抜けた。
四季「っ、おい!?」
肩を揺すってみるが、反応はない。
瞼は閉じられ、呼吸だけが浅く続いている。
四季(……気、失ったか)
それにしても、酷すぎる。
服の下から伝わってくる感触は、生々しいほどに硬く、冷たい。
怪我の量も、普通じゃねぇ。
四季「こんな状態で……ここまで来たのかよ……」
そう言いながら、俺は神社の奥にある小さな和室へ入った。
畳は年季が入っていて、正直綺麗とは言えねぇが、雨風は防げる。
そこに四季は、男を横にした。
コメント
2件
神作品確定だッッ✨ 今回もめっちゃ面白かった!!