「狭くて広い心」
筒井(つつい)にプロポーズすると決めた時、ダメかもしれない可能性だって、すこしは考えた。
だけど、それ以上に筒井が「ほかのやつのもの」になってしまうのがイヤだった。
俺だけの筒井になってほしかったけど……筒井が好きなのは俺じゃなくて、 晴兄(はるにい)で―――。
家に帰り、ベッドに転がったのはいつだろう。
眠ろうと目を閉じたけど、今日のことがぐるぐる回って、眠気は一向に訪れなかった。
筒井と話をして、告白して……晴兄のマンションに連れて行ったところで、流れ続ける記憶をムリに止めた。
考えたら、俺は失恋しに筒井を晴兄のところへ連れて行ったんだよな―――。
なにやってるんだろ、と思ったと同時に、筒井を失った心の穴が、また大きくなったような気がした。
結局明け方まで寝つけなかったせいで、目が覚めた時にはもう家を出ている時間だった。
(ヤバイ) *******
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