テラーノベル
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kana
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―目side―
話し合いが終わって、建物内を歩いてみる。こうでもしてないと、しんどいから。今日は朝から色々起きすぎてる。ふっかさんが死んで、霊媒師が2人出てきて、どちらかは嘘、だなんて。
目「…分からない、すよ…。」
そう独り言を言いながら一生懸命考えてみるけど、俺の頭じゃ何も分からない。
暫く歩いて屋上に着くと、空を見上げている阿部ちゃんが居た。
目「…阿部ちゃん、」
阿「あ、めめ…、」
目「…何してるんですか?」
阿「ん?…空、眺めてるの。ずっと建物の中に居て、居心地悪いから。」
目「俺も眺めて良いですか?」
阿「勿論。」
阿部ちゃんの隣に立って、空を眺める。ふと阿部ちゃんの顔を見ると、とても悲しそうな顔をしていた。
目「…阿部ちゃん、どうしたんですか?」
阿「急だね、どうしたの?」
目「いや、すごく悲しそうだから。」
阿「えぇ?」
目「阿部ちゃん、分かりやすいですよ。」
阿「えぇ…、」
目「俺で良かったら、話して下さい。」
阿「…、」
阿部ちゃんの顔を見れば気持ちが分かる。だって好きだから。だから俺の大好きな阿部ちゃんが悲しい顔してるなんて、耐えられない。もっと頼って欲しい。
目「…阿部ちゃん、」
阿「俺、霊媒師なんだ。」
目「…はい、」
阿「でも照も霊媒師だ、って、」
目「…はい。」
阿「正直、俺は…、」
阿「俺は、照に投票したいと思ってる。」
目「…、」
阿「最低だよね。メンバーなのに、ずっと一緒にやってきたのに、こんなゲームごときで自分の為に人を殺したいとか考えてるんだよ?…俺、最低だよ。」
俺だってメンバーなんか殺したくない。でも俺は人狼だ。阿部ちゃんが霊媒師なら、阿部ちゃんを殺すべき。だって役職持ちだもん。
でもそんな事、出来るわけない。阿部ちゃんを失ったら、俺は…。
目「最低なんかじゃ、ないよ。俺は阿部ちゃんが霊媒師だって信じてるし、今回の投票、岩本くんに入れる。」
阿「…本当に?」
目「絶対に。」
いや、待てよ、阿部ちゃんって村人陣営だよな。…てことは、一緒には出られない、って事?俺が勝ったら阿部ちゃんは死ぬし、阿部ちゃんが勝ったら、俺は死ぬ。2人が同時に生き残る道なんて…ない?
嫌だ、嫌だ。阿部ちゃんと俺は生きる。絶対に。…せめて、俺に出来る最大の長さで。
…
―岩side―
時刻は19時。メンバーが自然と大広間に集まり始める。ずっと泣いていたのだろうか、康二は目が腫れていて、目黒と阿部は一緒に来た。
渡「…投票、するか?」
阿「…ごめん、その事なんだけど…。」
ラ「どうしたの?阿部ちゃん、」
阿「俺、やっぱり今夜は照に投票したい。」
岩「…は?」
急な事で強く言ってしまった。俺は、投票から外れたはずじゃん。なのに何で…、
阿部、お前偽物だろ?人狼なんだろ?何でだよ。何でそんな事言うんだよ。…なぁ阿部…。俺ら同い年でさ、ずっと一緒にやってきたじゃん。
阿「…俺は本物の霊媒師だから分かる。照は、嘘をついてる。…俺が霊媒師。だから、お願い、」
岩「ちょっと…待て、って、」
阿「照を吊ったら、人狼陣営が1人減る。これは進歩でしょ。」
岩「…やめろよ、」
俺を殺す事が進歩?…ふざけんな。
岩「やめろ!」
俺は立ち上がって阿部の胸ぐらを掴んだ。そして殴りかかろうとした。
阿「…良いの?ルール違反じゃない?」
岩「…チッ、」
仕方がなく自分の席の前に戻って、心を落ち着かせる。すると、
目「俺も、思ってました。阿部ちゃんは村人陣営だ、って結果が出てるし、信用しても良いと思うんです。…俺も、岩本くんにいれたい。」
…目黒まで、そんな事言うのかよ…。
向「実は俺も思っとってん。照兄が、人狼ちゃうんかな、って。」
俺に矛先が一気に向く。
渡「はぁ、」
宮「…しょうがないね、」
ラ「ごめん、岩本くん…。」
岩「ちょっと…待って、」
阿「…投票。せー、の、」
俺以外の指が俺に向いてる。それは俺の死を表していて、もうその未来は変わらない。
SnowManで頑張ってきて、俺は良かった、幸せだった。こんな事、したくなかった。何でメンバーに殺されないといけないんだよ…。…でも、今までありがとう、皆。
ピー、ピー、ピー
俺の首に付いている装置が点滅して、俺の首を絞めていく。だんだん息がしづらくなる。足に力が入らない。
阿「照…泣、」
…泣くなよ。お前だろ、言い始めたの。でも阿部、俺、お前と同じグループで良かったよ。楽しかった。阿部が本当はこんな奴じゃない、って知ってるから。だから泣くな。阿部は悪くない、こんなゲームが悪いんだ。
俺はこの人生で最後に見た阿部に向かって微笑んで、この世に別れを告げた。
死ぬのは嫌だけど、俺はメンバーが大好きだ。だから恨んでないよ。…でも、願いが一つだけ叶うなら、ずっと9人で活動してたかった、一緒に居たかった。…せめて、誰か1人でも生き残ってよね。…そう願いを込めて。
…
―阿side―
阿「照…、照…泣」
殺した張本人は俺なのに、何で俺は泣いているんだろう。泣く資格なんて、無いのに。何で最後に微笑んだの。ねぇ、答えてよ、照。…黙ってないでさ、
めめが俺の横に来て慰めてくれる。今はそれすら何も感じないくらい、虚無の場所に居た。もうこんな事したくない。…死にたくもない。俺は、身勝手な人間だ。最低だ。
…
《2日目夜》
ずっと何も考えられなかった。部屋に帰ってから、何も。ずっとベッドに座って、壁を眺めていた。
だから俺の部屋のドアノブが捻られる音なんて、気付いた時にはもう遅かった。死ぬんだ、って思った。俺もここまでか、って。…でももう良いんだ。メンバーに嘘ついて、生き残って。俺なんか、生きてる価値なんて無い。だから潔くドアの方を向いて、目を閉じて待っていた。
…人狼が来ない。いくら待っても、刺される気配、ましてや人が部屋にいる気配がしない。俺は疑問に思って目をゆっくり開けた。
阿「…何で…、」
ガチャガチャ、と、俺のドアを開けようと必死なのが伝わる。でも開かない。…用心棒が、俺を守った?…何で、何で、俺?
ドアに向かって叫んでみる。
阿「ねぇ、人狼さん、居るんでしょ?…殺してよ、もう、生きたくない。俺は最低最悪の人間だよ。鍵掛かってるの?…そんなのぶっ壊して入ってきてよ。…ふっかの事、刺したんでしょ?同じようにして殺してよ。…何の抵抗もしないからさ、」
人狼は何も喋らない。暫くして俺のドアを開けようとする音が消えて、歩いていく音が聞こえた。
?「…な事…いで。…、…るか…。」
去り際に微かに聞こえた、あの声。暖かくて、優しくて、ずっと一緒に居たいと思えて、…生きていたい、って思った。…人狼だったんだね、君は。
俺はドアに背中を預けて、泣いた。…そして、生きる事を決めた。
コメント
3件

残った人の幸せを願います😭😔
みんなが幸せな最後を祈ってます😭😭
うわあ……第7話、すごく重くて切なかったです。岩本くんの最期の微笑みと「恨んでないよ」って言葉が胸に刺さりました。阿部ちゃんが自分を責めて泣くシーンも、めめが隣で慰めてるのに何も感じられない虚無感も、すごくリアルで……。最後のドア越しの「生きていて」って声、あれが人狼のめめだとしたら、もう切なすぎます。続きが気になります。