TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

💛side



早晩、阿部の活動休止が発表された。表向きは、体調不良ということにしてあるが、本当の意味は謹慎処分だ。問題のスタッフが、テレビ局の判断で番組を解雇され、逆恨みし、阿部の暴力を刑事事件として告訴したのだった。

反論しようにも、男の翔太への暴行は未遂だったのと、阿部の証言なしでは立証できないので看過するしかなかった。


嫌なことは重なる。


男は腹いせに、YouTubeを始めとしたSNSを使って、阿部に殴られた事実を世間に公表した。事務所が法的に対処しているが、男が削除に応じる前に告発動画は拡散され、多くの人の目に止まった。話の内容が阿部の番組に出演しない時期と重なり、ファンの間でも様々な憶測が飛び交った。こちらのすることは全て後手に回って、不利に働いている。

阿部の復帰の時期の目処は立たなかった。


💛「翔太、食え」


翔太の家で、お粥を作って出してみたが、翔太は首を振って寝床から出て来なかった。


仕事の日は何とか動けているが、このままだといつ倒れるかわからない。悪い顔色とますます細くなった身体は直視に堪えなかった。


阿部は何をしているんだろう。

ここへは来ないのだろうか。


阿部からの連絡は途絶えていた。

阿部の家の周りには記者たちが詰めていて、気軽に外には出られない状況なのだと思う。それならせめて電話くらい、と思うが、阿部は掛けてこなかった。


💛「翔太、倒れるぞ」


💙「倒れたい」


💛「バカなこと言うな」


被った布団の、頭のあたりを撫でる。翔太が震えて泣いているのがわかった。もうずっとこうだ。もうずっと泣いている。

胸が痛んだ。


💙「俺が悪いんだ。俺がバカだから」


💛「翔太は悪くないよ。そんなこと言うと、阿部が悲しむよ」


💙「阿部に会いたい」


そう言って、翔太はまた泣き始めた。俺は布団を捲って、翔太を抱きしめた。


💙「ひかる。離れて」


💛「いいから、俺を阿部だと思ってくっついてろ」


💙「んっ……あべ……」


すぐに涙と鼻水で俺の服がぐしゃぐしゃになったが、構わなかった。今は翔太をこのまま一人にしておけないと思った。

ずっと一緒にいる方法

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

713

コメント

8

ユーザー

まじむり‼️殴りじゃ収まらん‼️どーしてくれよう ボコボコにするのはとーぜんだけど一生表に出られなくしてやらないと、でもそれだけじゃ足りん‼️やっばり海底?

ユーザー

腹立つな!マジで腹立つわ! 私が殴りに行きたいわ😡

ユーザー
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚