「ちょっとちょっと、新しく入った人見た?綺麗な人よねー!!」
その日の帰り、休憩室で私と同じ時間に帰るパートさん達が着替えに入ってくるなり、話していた。
恐らくその話を早くしたくてウズウズしていたのだろう。
声のボリュームが大きく、私の耳にしっかり届いている。
「ほんと、あの人あれで48なんですって!!もっと若く見えるわよねー!!」
(48…店長よりも上。)
制服を脱ぎながらそんなことをふと思う。パートさんの言う通り、30代後半くらいにしかみえなかった。
だけど店長と同世代には変わりないのだ。
(…て何で店長と比べてるの私。やっぱり今日おかしいみたい。早く帰って休もう。)
ーーバタン!!ーー
「お疲れ様でーす!!」
自分の中にある戸惑いを断ち切るため、勢いよくロッカーを閉めると元気よく挨拶をして、休憩室を出ていく。