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さっきより、10秒くらい長い。
先生は、私の流した涙を手で軽く拭いて、
「さあ、そろそろ帰らないとな」
そう言った。
私も、先生みたいに「泊まってくでしょ?」とか素直に言えたらいいのに。
先生は、私の体を抱くようにあげた。
・
靴を履き終えて、振り返った先生が
「お前は、なんちゅー顔してんだよ」
『…えっ?』
「あー、無意識なの」
意味が、全然わからないって思いながら私も靴を履くと、
先生が抱きしめてきた。
『えっ…!?』
「こーして欲しかったんじゃないの?」
『いや、そーです』
言ってないどころか、隠していたのに。
本当は、帰る前にハグして欲しかったこと。
もう1回…
先生をちらっと見上げると、熱くなるようなキスを落とした。
『あっ…』
「さて、帰るか。」
『なんでっ…わかるんですか』
本当はもう1回、キスしてほしかったこと。
「ふはっ笑」
「内緒。」
先生はアソアソしてる私をケラケラ笑って。
からかわられてるのに、何か嬉しくて。
『ねぇ先生。』
「どうした」
『来週の土日は、用事ありますか?』
「用事…ないけど?」
『私、お休みで』
「え、土曜もなの?」
『店長が一日だけならって。』
嘘。
ほんとは、手塚さんが「店長ー、○○ちゃん彼氏持ちなのに土日も働かせるわけー?」って凄い圧で問い詰めてくれたから。
「そっかー、じゃどっか行くか。」
『ほんと!?』
「ほんとほんと 笑」
「ってか、この答えを待ってたんだろ。」
『ま、はい 笑』
「分かりやすすぎ。」
コメント
6件
ガチさいこーー!!!! 次も待てない!!
うわぁー!更新沢山ありがと!!もう最高👍