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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜2nd season
第3章 『愛の告白は薔薇の数』
〜試された名探偵〜
第4話 これからは
この込み上げてくる寂しさはなんだろう。
私達のお互いの心を――強く締め付ける。
みんなは不老。私達はそうじゃない。
歳をとって、いつかは死んでしまう。
私達だって、みんなとずっと一緒にいたい。
だからこれは私達のエゴ。
死にたくない、ずっと、みんなと楽しい日々を過ごしていたい。
それぞれ私達は執事達との約束がある。
執事達全員とは「天使達を殲滅するまで死なないこと」そして、個人の約束がある。
ボスキと私しか知らないこと。お姉ちゃんでさえ知らない。
私を守る為に、悪魔化したボスキは、悪魔と契約した。「私が死んだ時、ボスキも一緒に死ぬ。」これは私だけが知っている。誰にも言えない、口約束。
私とユーハンの約束。「サルディス・フブキを見つけて、殺すこと。」必ず私とユーハンの手で、報いを受けさせる。それまで私は死ねない。
そして、もう1つ。「天使達を殲滅させて、平和な世界が訪れたら、みんなと毎日のように幸せに暮らすこと。」
全部の想いも気持ちも引っ括めて…伝えたい事は、私達はみんなともっと一緒にいたい。
だけど、誰か一人をいきなり選ぶことは出来ない。でも。みんなの本気の気持ちを蔑ろにしたくない。
私は重い口を開く。
『気持ちを伝えてくれてありがとう。凄く嬉しい。でも、私はみんなのことが好きだし、誰か一人を急に選ぶことはできない。』
『私も、もちろんみんなのこと好きだよ。でも、やっぱり…。』
『主様達ならそう言ってくださると思っていました。だから私達も考えました。』
『『?』』
『これからは執事としてでなく、1人の男として、接してください。意識してください。私達が主様を1人の女性として見てきたように…。』
『『っ…。』』
私達は頬を赤らめる。
『それを踏まえた上で、また気持ちを聞かせてください。』
『わ、分かったわ。』
『う、うん。』
『ふふ、楽しい謎解きでしたね。さぁ、主様、屋敷へ戻りましょうか。』
『そ、そうね。』
(急にそんなこと言われたら…変に意識してしまいそう…。)
双子揃って同じことを思ってしまう。
その日の夜――。
脱衣所
『そろそろ寝ないと…歯磨きしないとね。』
私はガチャっと扉を開ける。
『ん?ふふ、おや、主様。』
ドアを開けたら半裸のルカスがいた。
『っ!?ご、ごめんなさい、すぐに出――!』
と、出ようとしたらドアにルカスの手が当たる。
ドンッ。
『意識してください、と伝えたはずですよ。こちらを見てください。』
『っ…。』
私はそっぽを向いた。
『……。』
ルカスは私の頬に触れる。
『…クスッ。顔が真っ赤ですね。主様。』
『み、見ないで…っ。』
『ふふ、可愛らしい主様…。もっと赤くしたいですね…。』
ルカスは私の唇に触れようとする。
『っ…!』
その前にドアを開けて逃げ出す。
『おやおや…。』
(少し、やりすぎたかな…。)
私は唇を抑えながら部屋へ戻る。
『…急に意識しろなんて言われたら――これから先どんな顔して接していけば…っ。』
それぞれの思いが交差していく。
お互いがお互いを意識してしまう日もいずれ来る。
『お姉ちゃんのように深く考えられないけど…お姉ちゃんと同じ気持ちだ、私も。みんなとはずっと一緒にいたいし……居れたらいいなって思ってる。でも…。』
と、ベットの中で考え事していたら部屋のドアがノックされる。
コンコンッ。
『!開いてるよ。』
ガチャ。
『失礼します、主様。まだ起きてましたか?』
『は、ハウレス…?どうしたの?』
『いえ、特に何も用はないのですが…主様に会いたくて。』
『っ…!』
ただ会いたいと言われただけなのに変に鼓動が高なってしまう。
『良ければ安眠サポートを致しましょうか。』
『え、えっと……。』
『俺では嫌ですか?』
『そ、そんなこと……。…分かった。お願い、しようかな。』
ハウレスはベット脇に座り、私は眠りにつく。
『すぅ、すぅ……。』
『おやすみなさいませ。主様。』
こんな跳ねられそうにない。この鼓動が収まるまで、安眠は出来ない。皮肉なものだ。
執事が私達を癒す為の安眠サポートなのに
執事のそれが鼓動を早くする原因なのだから。
次回
最終話 執事という一線を
天樹
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