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コメント失礼します☺️ 小川さんが藍くん為に祐希さんにお願いしてるところに優しさが伝わって感動してしまいました♪小川さんは智さんと幸せになって欲しいなと思いました♪次は祐希さんと藍くんなので2人がやっと結びつくのかなと思い楽しみすぎます😊ゆうらんさんのお話はやっぱ最高過ぎます!これからも頑張ってください♪応援してます📣

ごめんなさい💦 勝手にホッとしています🙏 ゆうきさん、お願いしますよっ🙏 控えめに言えないです!続きが楽しみすぎです!
「ビックリした、何の連絡もないのに居るからさ‥」
珈琲を差し出され、座って‥と促される。
久しぶりに来た祐希さんの部屋は、相変わらず整理整頓されていて、妙に落ち着かない‥。
「すいません、急に押しかけてしまって‥」
「ん?別に、構わないよ」
珈琲を一口飲み、祐希さんは笑う。俺を気遣ってか‥取り留めのない話をしてくれた。
気を遣わせている事に‥
すぐに気付く。俺も顔に出やすいんだろう。
人の事は言えないな‥
「あっ、おかわりいる?持ってこようか‥」
そう言って席を立とうとする祐希さんを俺は引き止める‥。
「祐希さん‥話があるんです‥そのために俺はここに、来たから‥」
「話‥‥藍のことだよね‥」
祐希さんの言葉にコクリと頷く。
座り直してくれた祐希さんは、ただ俺を見つめていた。
やばい‥
祐希さんを目の前にすると‥
決意が揺らぐ‥
きっと‥
言ってしまえば‥藍はもう‥
ダメだな‥俺は‥
深呼吸をしながらポケットに手を入れ‥ソレをギュッと握りしめる。
藍‥
待ってて‥。
「小川?」
突然黙り込んだ俺を心配して‥祐希さんが訊ねる。
その祐希さんに向けて‥
俺は‥
立ち上がり‥
頭を下げた。
「えっ、ちょっと、何?どうした?」
慌てる声。‥急に頭を下げられたら‥そんな反応になるのも仕方ない。でも、引き下がるわけにはいかない‥
「祐希さん‥お願いします!
藍とよりを戻してください!
‥祐希さんが既婚者なのは知ってる‥
無理なことを言ってるのは百も承知です。
それでも‥
戻ってあげて欲しい。
藍を‥
あいつを‥
幸せにできるのは‥祐希さんしかいないんです」
一気にまくしたてる‥すると、
「小川‥顔を上げて‥これじゃ話が出来ないよ」
‥促され、正面にいる祐希さんを見つめた。
あっ、ダメだ‥
祐希さんがボヤケる‥
泣いてる場合じゃないのに‥
「俺じゃ‥ダメなんすよ。藍は優しいからそばにいてくれるけど‥アイツは‥祐希さんじゃないと無理なんだ。
認めたくないけど‥
祐希さんのことが好きなアイツが、
俺は好きなんだと思う‥。
祐希さん言ってたじゃん。ずっと藍が好きだって。藍にも言ったんでしょ?
それじゃあ、ダメなの?
藍のところには戻れないの?
結婚したのにも理由があるんだろ?
その理由を藍にも話して欲しい。
じゃないと‥
祐希さん‥
一生後悔するよ‥
それでいいわけ?」
先輩と知りながらも強い口調になってしまう。
ああ‥情けない‥涙がボロボロと零れ落ちる。
それでも構わなかった。
藍のためにも‥
祐希さんに戻って欲しかった。
それで藍が笑ってくれるなら‥
俺は何だってしてやる‥。
涙が流れるのも無視して‥祐希さんを見つめた。
そんな俺を見つめながら‥
「後悔か‥もう何度したかな‥。でも、取り返しがつかなかった。
つかないと‥思った。
都合が良すぎるから‥
結婚したけど、お前が好きだって‥
言ってはいけないと思ったから‥。
‥結局、俺は自分のことしか考えてなかったんだよ‥
藍が‥俺から離れていくのが怖くて‥
自分から別れを告げた‥
俺は自分のことしか考えてなかった。
最低なんだよ‥
そんな俺に‥
藍に戻ろうなんて言う資格はないよ‥」
見つめる祐希さんの顔を見て思う‥。
この人は自分でわかっていないんだなと‥。
「祐希さん‥分かってないよね‥いつもいつも、藍の事見てたくせに‥
なんで分かんないの?
藍にとって祐希さんが必要不可欠なんだって‥
理屈じゃないんだよ‥
それぐらい藍は祐希さんを愛してる。
祐希さんも‥でしょ?
それなのに、何を迷うっていうわけ?
‥答えはもう出てるんだよ。
あとは祐希さんが行動するだけなのに‥」
そう言うと、ポケットからあるものを取りだし‥祐希さんの掌に渡した‥。
「これって‥」
「覚えてるでしょ?藍が‥祐希さんから貰ったって言ってたペアリング‥
俺が‥奪ったんだ、藍から。これを持ってるから、祐希さんを忘れられないんだと思って。
最低な事したと思うよ‥でも、それでも俺は藍が欲しかった‥
‥藍は‥これを貴方から貰ったって喜んでた‥
バカみたいに笑ってさ‥
めっちゃ嬉しいって‥
俺はあの笑顔が忘れられないのかもしれない‥
祐希さん‥
この指輪を藍に渡してくれる?
きっと‥
俺が渡すより喜ぶと思うんだ‥
祐希さんもこの指輪‥まだ持ってるんでしょ?
ペアリングは‥
一緒じゃないと‥
意味がないよ‥」
‥そう言って‥俺は精一杯最後に笑った‥。
指輪を託したから‥
きっと大丈夫だろう。
祐希さんの瞳は‥
俺と同じだったから‥。
時刻を見ると間もなく日付を変わろうとしていた。
いつの間にか‥夜中じゃん。
明日も練習あるのに‥ブツブツと文句を言いながら‥家に到着する。
その時‥
「智‥」
「えっ?あっ、智さん!?」
見間違いかと思ったが‥そこには智さんがいた。
ゆっくりと遠慮気味に俺に近付き‥ごめんと呟く。
「もう済んだことじゃん‥いいよ。それに‥いま、祐希さんに会って言ってきた‥藍と‥よりを戻して欲しいって‥」
そう‥もう済んだことなんだ。
俺の恋はこれで終わる‥。
改めてそう思うと、胸が苦しい‥。何でもないように装いたかった‥が、
頭にポンポンと触れる感触‥。
ふと見ると‥涙をポロポロ流しながら智さんが俺の頭を撫でていた‥
「頑張ったね‥智‥」
「‥なんで智さんが泣くんだよ‥」
おかしいじゃん‥そう言いながら‥
俺も泣いた。
泣きながら‥
2人で抱き合った。
抱きしめた智さんの身体は冷たくて‥
もしかして俺を待っていたのかな‥
と思うと余計に涙が出た。
ごめん‥智さん。
でも、今だけは
今だけは‥
藍を想って泣く俺を許して欲しい。
きっとこれが最後だから‥
藍Side
今日の練習を終え‥身支度をする。
あれから‥小川さんとは会っていない。
小川さんと朝を迎えた翌日‥
「もう会うのはやめよう」
突然そう言われた。
俺は何かしてしまったんだろうか‥
必死で訊ねるが‥
答えは得られなかった‥。
それから暫くしたある日の夜。
練習を終え‥その後にイベントに出席。
帰る頃にはもう22時をまわっていた。
外に出ると‥いつの間にか雨になっていて‥
少し肌寒さを感じながら自宅へと急ぐ。
‥タクシーから降り、自宅前に到着する。
雨は強さを増している。早く中に入ろうと駆け出した瞬間‥
ふと、入口前で、ある人物の姿に目が止まる。
「な‥なんで‥」
それは、いるはずもない人物だった‥。
俺に気付き‥すっと立ち上がる。
ゆっくりとこちらに近づく姿は‥
紛れもない‥
「藍‥会いたかった」
そう言って‥
祐希さんが笑った‥。