⚠医療の知識はあまりないです
⚠登場人物 桃、赤、紫
今後他の方出てくる可能性あります
⚠基本的に何でも良い人向け
「ごめんッ…もう、つッらい…」
初めて桃くんの口から弱音が出た。
病気が見つかってから、1度も聞いたことがなかった
友達も多くて、入院前は勉強もスポーツも学校でトップを競える子だったらしい
治療にも前向きで、絶対辛いはずなのに、
お兄ちゃんの紫ーくんが来た時は笑顔が多かった
俺達医者も看護師も家族もみんな桃くんは強い子だと思い込んでた
桃side____
抗がん剤治療も手術もして、12月に退院した
1月からは学校にも戻った
はずだったのに、4月の一昨日、帰り道で倒れた。らしい
頭痛がして、視界がぼやけたのは覚えている
今日。今から検査の内容を教えてくれる
「再発です…。」
その言葉から先はあんまり覚えてない
脳の画像が映し出されたモニターと俺だけがこの部屋にいる
気づいたら紫ーくんと医者が廊下に出て行ってた
俺に言えない話なんだろうなきっと。
紫「……大丈夫?」
戻っきた紫ーくんの一言目
廊下で話した内容が察せて、どうしようもない気持ちになる
桃「おっきいね、これ…笑」
桃「ほんとに脳にあるのかなー…笑」
俺の気持ちを誤魔化すことに必死で
この時の紫ーくんの顔は覚えてない。
タイムスリップしたみたいに、去年と同じような生活が始まった
抗がん剤の副作用で苦しんで、
起きてたくなくて寝る時間が増えて、
トイレまで歩くのもきついくらい体力が落ちて、
窓から見える景色は毎日同じ建物で、
全部去年と同じ。
強いて違うことを上げるとしたら、
元気そうにしてた隣の患者がいなくなってたこと。
退院してたらいいなと思ったけど、
この部屋の前を通る時、担当していたであろう新人看護師が毎回暗い顔をしてた
違うことと言ったらそれくらいなのに、
それだけなのに、
去年よりも、治療がきつい。
続く»
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