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数日後の特産品ショップFortress。チバラキVの5人が店番をしているが、客は一人もなし。
倫が奥のレジのある机に座り、書類を見ている。他の4人は棚の商品を並べ直したり、隅っこを掃除したり、暇を持て余している。
制服姿の男子高校生5人が、おそるおそるという感じで店内に入って来る。
玲奈「いらっしゃいませ。あれ、どこかでお会いしました?」
男子高校生A「やっぱりあの時のおねえさん。じゃあ、ギター弾いてくれた方もこちらに?」
玲奈「ああ、あの時の! 瑠美さん!」
店の隅で段ボール箱を整理していた瑠美がやって来る。
瑠美「どうした?」
高校生5人声をそろえて
「先日は、ありがとうございました!」
瑠美「ん? ああ、こないだのバンドの連中か」
玲奈「君、指はもう大丈夫?」
高校生A「あ、はい。ただの軽い突き指で、もうすっかり」
高校生B「あの時は片づけでバタバタしてて、ちゃんとお礼も言えてなかったので」
智花「それでわざわざ来てくれたの? 若いのに律儀ねえ」
高校生A「いやあの時は本当に助かりました。それで、そちらのおねえさんに、ええと、お名前は?」
瑠美「下の名前でルミでいいよ」
高校生A「じゃあ、瑠美さん。改めてお願いしたい事があるんです」
瑠美「何だよ? 代役ならお断りだぜ」
高校生A「いえ、俺……じゃなかった、僕たちにギターを教えて欲しいんです。バンドの他のパートとの息の合わせ方なんかも含めて」
高校生B「僕たち学校の軽音部なんです。そのコーチというか、外部指導者という形で」
玲奈「いいですね! 瑠美さんなら適任ですよ」
瑠美「断る!」
玲奈「え?」
高校生A「なんとかお願いできませんか? 僕たち、秋の高校生バンドコンテストの出場目指してるんです。瑠美さんほどの腕前の方に指導していただければ」
瑠美「だったら、なおさら断る。コンテストで優勝して将来はプロとか、そういう話か?」
高校生A「はい。やるからには優勝目指します。プロになるかどうかは、まだ分かりませんが」
瑠美「夢見てんじゃねえ」
高校生A「え? どういう事でしょうか?」
瑠美「おまえら全員、ルックスは並みだろうが。コンテストで優勝? そんな身の程知らずな夢見てるヒマあんなら、受験勉強でもしろ」
玲奈「ちょっと瑠美さん! 高校生相手に、そんな夢を否定するような言い方しなくても」
瑠美「夢見て、挫折して、将来を棒に振りたけりゃ勝手にやれ。けど、あたしを巻き込むな。さあ、商売の邪魔だ。帰りな」
Fortressの正面を道路側から見た場面。
5人の高校生がしょんぼりした様子で出て来る。後ろから玲奈が追いかけて来る。
玲奈「君たち、ごめんなさいね。あたしがもう一回説得してみるから」
高校生A「ありがとうございます。僕たちも何とか方法考えてみます」