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海の紅月くらげさん
「潤、少し頭を冷やせ」
私の頭に武蔵先輩の大きな手が乗せられる。
「実里のこと捜してくれないか? ましろん」
顔を上げると武蔵先輩が困ったように微笑んでいた。
「俺らじゃきっと話を聞いてもらえないからな。お前が適任だ」
「けど、私」
「頼む」
さっきまで変な歌を歌ってふざけていたくせに……真剣なその眼差しに飲まれてしまいそう。
私は一呼吸置いてから、小さく頷いた。
「わかりました」
視線を潤に向けると、黙ったまま伏し目がちに壁に寄りかかっている。こちらを見る気配がない。
潤がこんな風に意固地になっているところ初めて見た。気まずいままなのは嫌だけど、今は実里くんを捜しにいこう。
行きそうな場所に心当たりはないけれど、校内を片っ端から捜すしかない。