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莉愛
「やだよ、終わりはやだ」
喉が、少しだけ詰まる。
「ただ、怖いだけ」
正直に言うと、泣いてる勇斗が笑う。
「俺も」
すぐに返ってくる、
その一言に、少しだけ驚く。
「俺も、怖いよ」
さっきより小さい声。
「でもさ」
少しだけ息を吐いて続ける。
「怖いからやめる、ってならないじゃん」
視線が、まっすぐこっちに来る。
「だから、続くよ」
今度の“続くよ”は、さっきより重い。
軽さもあるけど、逃げてない。
「俺の続くはこれだよ。仁人がやめない限り続くんだよ」
一瞬、言葉が止まる。
その一言が、やけに残る。
自分のことを棚に上げて、ずるいな、と思う。
自ら終わらせるつもりがないなんて、
俺に託そうとするなんて
「……ずるい」
小さく呟くと、
はやとは少しだけ笑った。
「知ってる」
そのまま、手を伸ばしてくる。
なに言ってんだよ、ずるいのは本当に俺の方。
終わらせることなんてできないくせに、
終わりを見ているのだから。
そのくせ、その覚悟がなにもできてないのだから。
一瞬だけ迷ってから、伸びてきた手に触れる。
「俺、やめないよ?
勇斗が俺のこと嫌になっても
ずっとずっとやめてなんてあげないよ」
約束なんてなんの意味もたないと、
ごねていた自分を押し込めて、
素直な気持ちで改めて手を重ねる。
「いくらでも。怖いこと考えてるよりずっといい」
重ねた手をそのまま引き寄せて、俺を抱きしめてくれる。
「やっと素直になってくれた?
頼りなくて信じられない彼氏でごめんね」
俺が泣かせたんだけど、
自分も泣いているんだけど、
いい大人が二人してなんで泣いてるんだよ。
と理不尽に思ってしまう。
ー今ここに永遠を誓おう〜
重い言葉を歌にのせて茶化して伝えてくる。
「俺、弱いって言ったよね?
ちゃんと仁人も誓ってよね」
弱いと自分で言えるのは、ちっとも弱くないだろ。
「誓うよ。ちゃんと。続くし、やめない」
それでもやっぱりどこか終わりがある怖さは消えないけれど、誓ってしまうのもいいのかもしれない。
「もう、怖いこと考えないでね。
仁人は考えすぎなんだよ。
やっぱり俺には無理、
続くとか終わりとかそんなの考えられない」
強く抱きしめられて、息ができないほどの苦しさを逆に心地よく感じる。
いつも結局、この強さに甘やかされては救われるのだ。
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