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aph夢/🇻🇳
⚠️百合夢
🇻🇳さんと追いかけっこする話
コンバースの鮮やかな赤が、目の前を軽やかに駆け抜ける。その度に生唾を飲み込みたくなるのを堪えて、ベトナムはそれをひたすらに追いかけた。
長い足が踏み出す1歩は、乙女の駆け足よりも大きく、のしのしと歩くだけでも迫力と、確かに縮まる距離を感じさせる。しかし乙女はプレッシャーなんかは一切感じずに、蒸れるような風、それと触れる草木に思いを馳せるだけだった。
「ベトナムさん。こっちよ、こっち⋯」
春風のようにやわらかい声は、この纏わりつく猛暑を一切知らぬかのように振舞った。女は淑やかに、しかし隠し事が上手い一流の女房なのだ。
常磐に輝く立派な葉を拵えた地上の太陽。(夢主)の、彼女の細腕に劣らぬその太く肥えた茎。赤茶色を育む土から、遥か彼方。雲ひとつない青い空に真っ直ぐ伸びたそれ。
ひらりひらりと熱気に揺蕩う大ぶりの花弁。燦々と輝く向日葵の色は、彼女らの濃く、そして豊かな毛筋を青く影に落とした。
アジアの女が持つ、この黒。密林では色情の香りを纏うコレも、一面の花畑ではまるで形無しだ。もうスッカリ、少女時代の追いかけっこに白熱している。全く色気のない、寧ろ清々しく光る白シャツは、女たちの哀しみを嫌に引き立てる。
さて、我らの輝きが今、もう一方の白腕をしかと掴んだ。