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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「無惨、今日は天気がすごく良いよ。少し出掛けないかい?」

「私に死ねと言うのか」

「ははは、ごめんごめん」


こうして私と産屋敷の援助交際生活が

始まってしまった訳なのだが…


此奴……声が良い……!

なんというか、すごく脳が蕩ける声をしている…

『ね、無惨』『可愛いね、無惨』『おはよう、無惨』『無惨』『無惨?』『無惨!』〜〜〜〜〜ッッ……!


「……無惨、?」

「どうしたんだい、?顔が赤いよ?熱でもあるんじゃ───」

「…五月蝿い、黙れ……ッ…」


本当に何なんだ此奴は…!

鈍感で、なんも出来ないくせに……

人を弄ぶのだけは達者で……!


「もういい、部屋に戻る……」

「そっかぁ、じゃあ私は少し出掛けてくるよ。」

「…あ、お土産買ってくるから期待していてね!」


そう言い残し、彼奴は屋敷を出て行った。


「、はぁ…………。」


「ただいま、無惨!」

「あぁ…… 」

「洋菓子を買ったんだ、一緒に食べよう 」

「これは『チョコレイト』といって、甘くて美味しいんだよ」

「チョコ……レイト…?」

「まずは1口食べてみてよ!」


パクッ


「(なんだこれは…舌で蕩けていき、味も甘過ぎない)」

「どう?美味しいかい?」

「……悪くない」

「!良かった!」

「…僕にも味見させて欲しいな〜?」

「…勝手にしろ」


チュッ


「……むぐっ、?!////」

「うん、やっぱり美味しいね!」

「……貴様ぁ……ッ」

「残りは冷やしておくね」

「〜〜〜〜〜〜〜ッ…////」



「ねぇ無惨、今度こそ少し出掛けないかい?」

「もう日も暮れたし、良いだろう?」

「……昼間出掛けたろ」

「…それは一人でじゃないか。」

「?それじゃ駄目なのか?」

「私は”君と”出掛けたいんだよ」

「……変な奴だな」


「見て、無惨。すごく月が綺麗だね」

「……そうだな」

「君と居るとまだ不思議な感じがする」

「千年我が一族を苦しめた始祖が今私の隣に居るんだからね」

「ふっ、今殺そうと思えば殺せるんだぞ?」

「はは、君もまだ殺してなかったなんて物好きだね」

「……まだ苦しませてやりたいだけだ」

「…君の顔、一度でいいから見てみたいな」

「……ちょっと待て」

「じゃあ貴様先程言った『月が綺麗』とはどういう意味───」

「ふふふ、気づいたかい?」

「……っ!」

「ねぇ、無惨。君には月がどう見える?」

「、私は───」


「え、ぁ……か、帰るぞ……、」

「えー、答えてくれないのかい?」

「五月蝿い、もうじき夜も明けるだろ……」

「まだ夜明けまでだいぶ時間があるけど?」

「五月蝿い、黙れ、何も言うな、此方を見るな…ッ」

「え〜、酷いなぁ」




【大正コソコソ噂話】


この時無惨は私に言葉を返すのが精一杯で

気づいていなかったみたいだけど…


二人で手を繋いで屋敷まで帰ったよ。



END.

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