テラーノベル
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グチュッ ヌチャァ…ッ ジュッ クチャ…
暗い部屋に響く、生々しい音。
それは現在、行われている真実を掴む為の行為の1つ。
闇に包まれる者達はそれをこう言う__。
“拷問”とね。
彼が何故拷問を行っているのか、
拷問をしている者は誰なのか、
受けている相手は誰なのか、
受けているのは1人の女性。
彼女は約2ヶ月もこの部屋へ閉じ込められている。
逃げ出す術はない。
彼女は今、堕落の底に居る。
原因となったのは借金。
あまりにも多額なお金を借りるので、
利息もかなりついている。
彼女にはそのお金が返せなかった。
その結果がこれだ。
拷問をしているのは1人の少年。
その名はtg.
彼は高校生。
ただ、「高校生」と括れる程訛ってはいない。
彼は、とあるマフィアの息子であり、
極道と契約を交わした超人だ。
そんなtg.は周りから慕われている。
さて、本題に入ろう。
彼女は身体をビクつかせ、泣きじゃくる。
その顔は不細工で、身体は言葉を失う程醜く赤色で染まっていた。
数箇所青紫色に変色していたり、
瘡蓋が出来ていたりと、
何とも言えない汚さとなっていた。
「ふぅ…」
彼は一息つく。
その間も彼女は拷問から逃れようと身体を動かす。
だが、彼がそれを許さなかった。
ガシッ
と彼女の肩を力強く掴むtg 。
「ひっ…」
彼女は恐怖のあまり、情けない声を上げる。
だが彼は、それを哀れむかのように冷たい視線を彼女に向けた。
ゴチュッ ガリッ ヌチャッ… ジリ…
またもや生々しく、硬い音が再開される。
それはtg.が拷問を始めた音だった。
「あ”ぁ”ぁ”あ”ぁ”っ”」
何とも甲高い声が部屋に響く。
tg.は「うるさい」と言わんばかりの表情をする。
彼女はそれが何の意図なのかを察したのか、叫ぶのを我慢した。
だが、そうした時には手遅れであった。
彼は彼女から身を離すと、
1つの大きな棚へと向かう。
棚の上段を引き、何かを選ぶ仕草をする。
カチャ…
何かを選んだのか、それを掴み彼女の元へと再度足を運ぶ。
それを瞳に映した彼女は、酷く怯えていた。
無理もない。
彼が選び持って来た物は__。
間違いなく”苦悩の梨”だったからだ。
それは、英語で”pear of anguish”
名前とは裏腹に、食用の梨とは全く関係のない、歴史的な拷問器具の一つだ。
それは、洋梨のような形状をしており、内部にバネ仕掛けの機構や、複数の「葉」のようなパーツがある。
口の中に苦悩の梨を入れ、それをゆっくりと開く。
そうすれば、「葉」のパーツがゆっくりと開き、口を裂く。
正に、拷問には持って来いの器具だった。
彼が”それ”を持ってきたのには理由がある。
「喋られないようにする為」
であったから。
彼女はよく叫ぶ。
それがきっと、気に入らなかったのだろう。
無理もない。
女性の叫び声は、死ぬ程うるさい。
頭にキーンと響き、下手したら鼓膜が破れたり、脳震盪が起きるのでは、等と考えてしまう程、武器であるからだ。
「ごぇッ、なさッ、。… 」
情けない声で謝る。
だが、彼に幾ら謝っても、結果は変わらない。
拷問は気分次第で始まって終わるものじゃない。
拷問は『決められた時間』に始まり、
『決められた時間』に終わらなければならない。
それが”此処”のルールだ。
彼は「問答無用」と言わんばかりに、半強制的に彼女の口に入れ込んだ。
「ぅっ、…ごぇッ、らさ…、ッ 」
無駄だと分かっていて、何度も謝る彼女。
惨めだ。
彼は息をつく間も与えずに”それ”を開く。
その瞬間__。
「ぅ”う”っ”ぁ”ぁ”あ”っ”」
叫び声は聞こえず、代わりに、小さい呻き声と、生々しい音が響いた。
「葉」の1枚1枚が、彼女の口の中を赤で満たす。
ゆっくりと開いた「葉」のパーツは、まるで、子供達が公園で遊んでいるかのように、口の中で暴れていた。
叫び声はもう聞こえない。
彼女は__。
無事、『死』を果たした。
口を割らなければ、女であろうが子供であろうが、どんな手段を使ってでも口を割らせる。
それが拷問だ。
次は誰の番かな…?
彼はそっと…その想いを胸に抱いた。
ガチャリ。
と、扉を開く音がする。
彼が振り向くと、そこに居たのは__。
コメント
1件
チャットじゃないノベルだと、細かい描写の書き込みが多くて想像が膨らみます! 具体的な拷問器具の名前でてきてびっくりした…、 続き楽しみにしてます!