テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
文化祭と独占欲
「今年の文化祭、吹奏楽部ステージあるから」
朝のホームルーム前。
塁が何気なく言った瞬間、奏音の肩がびくっと揺れた。
「えっ……ステージ?」
「知らなかったの?」
「聞いてない!!」
すると後ろから、くすっと笑う声。
「言うの忘れてた」
那月だった。
「忘れてたじゃないよ!? 私まだ全然――」
「大丈夫。ちゃんと吹けるようにするから」
那月は当たり前みたいにそう言う。
その言葉に少し安心するけれど、同時に緊張で胃が痛くなる。
「……奏音、顔青い」
窓際から桜梨が言った。
「ステージ苦手?」
「人前がちょっと……」
「なら最前列で応援する」
即答したのは太陽。
「逆に緊張する!!」
教室に笑い声が広がった。
コメント
1件
塁の何気ない一言で奏音が慌てる冒頭から、那月の「ちゃんと吹けるようにするから」というさりげないフォロー、太陽の「最前列で応援する」という真っ直ぐな宣言——どれもキャラの関係性が滲んでいて温かい気持ちになりました。教室の笑い声で締めるラストも好きです。文化祭本番がどうなるか、楽しみです!