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第四十一章
届かぬ背中
―青龍の覚悟―
「……そう……そうなのね? 朱雀の巫女ちゃん」
赫夜は楽しそうに笑いながら、煉華を見つめる。
「あなたの代償は――」
その瞬間。
「!! ……危ないわね」
赫夜は咄嗟に後ろへ跳んだ。
「……気づかなかったの?」
煉華はいつの間にか背後へ回り込み、刀の柄を握ったまま鞘で攻撃を仕掛けていた。
しかし、赫夜はそれを軽々と躱し、近くの木の上へと飛び移る。
「煉華!! 大丈夫?」
蒼紫が駆け寄る。
「ええ。大丈夫……」
煉華は赫夜を睨みながら答えた。
「それより……琥珀が心配だわ。詞葉が治療してくれているとはいえ……」
その言葉に、蒼紫も表情を曇らせる。
「だから……」
煉華はゆっくりと刀を抜いた。
切っ先を、木の上で不敵な笑みを浮かべる赫夜へ向ける。
「赫夜を叩き潰す」
「あら……怖いですわね」
赫夜はくすくすと笑いながら、二人を見下ろしていた。
しかし、蒼紫は静かに口を開く。
「煉華……琥珀のところへ行ってくれる?」
「……」
「刀骨が狙ってる。それに詞葉と羅刹さんだけじゃ心配だから……お願い」
煉華は一瞬だけ蒼紫を見る。
そして――。
「……わかった」
蒼紫の手をそっと握り煉華は真っ直ぐ見つめ
「蒼紫も気をつけてね」
そう言うと握った手をゆっくり離し煉華は赫夜を睨みつけたまま琥珀たちの元へ向かった。
「あら」
赫夜は笑みを浮かべる。
「青龍の巫女ちゃんが、相手してくださるの?」
「ええ……」
蒼紫は扇を握りしめた。
「彼女には……大事なことがあるから」
その瞬間だった。
木の上にいたはずの赫夜が、目の前に立っている。
「遅いですわ……青龍の巫女ちゃん」
赫夜は不敵な笑みを浮かべた。
「本当に、あなた一人で私を相手できますの?」
「……っ」
蒼紫は扇を開く。
風を巻き起こそうとした、その時。
赫夜の持つ煙管が、扇の動きを止めた。
「あら……なんてことでしょう」
赫夜は楽しそうに笑う。
「玄武の巫女ちゃんは、我が身を呈してあなたたちを治癒している。
白虎の巫女ちゃんは、あの細く小さな身体で刀骨と渡り合っている」
「……っ、何が……」
蒼紫は煙管を押し返そうと力を込める。
しかし、ぴくりとも動かない。
「朱雀の巫女ちゃんは、戦場そのものを変える力を持つ」
赫夜はゆっくりと言葉を続ける。
「では……あなたは?」
「……え?」
「あなたは何ができるの?」
優しい笑み浮かべ蒼紫を見つめた。
「青龍の巫女ちゃん……」
そして――。
「いえ……神代 蒼紫ちゃん」
「!!」
その言葉に、蒼紫の表情が揺れる。
「油断しちゃ、だーめ♡」
赫夜は微笑む。
次の瞬間。
強烈な蹴りが蒼紫の腹部へ叩き込まれた。
「――っ!!」
蒼紫の身体が吹き飛ぶ。
「げほっ……!!」
地面に倒れ込み、苦しそうに息を吐く。
「あら、ごめんなさい」
赫夜は楽しそうに笑った。
「手加減したつもりだったのだけれど……大丈夫? 蒼紫ちゃん」
蒼紫は震える手で地面を掴む。
悔しさで、涙が滲む。
「……っ」
「(悔しい……!!
私は……何もできないの!?
私だって……青龍の巫女として、みんなと並んで戦いたいのに……!!)」
その時。
――力を望むか?
蒼紫の頭の中に、直接声が響いた。
その声の主を、蒼紫はすぐに理解する。
ゆっくりと立ち上がった。
「……ええ」
蒼紫は強く答える。
「今すぐ……!!」
――唱えよ。
――我が祝詞。
コメント
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第41話読了〜!!✨ 煉華が蒼紫に託すシーン、じーんと来たよ🥺💕 蒼紫が「何もできない」って悔しがる気持ち、すごく伝わってきた…でも最後の「力を望む」覚悟、熱すぎる!!🔥 赫夜の余裕ある感じも不気味でいい味出してるし、続きが気になりすぎる〜!! 蒼紫、どんな祝詞を唱えるんだろう…?😭💖