この作品はいかがでしたか?
101
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「…ナ!…ザナ!」
あれ…?兄ちゃん?
「イザナ!!しっかりしろ!!目を閉じるな!!」
痛い
俺、なんでこんなふうになったんだっけ…?
痛い、痛い
そういえば…この感覚、前にもあったな…いつだっけ…?
ああ、思い出した
前世死んだときと同じ感覚だ…
あぁ眠いなぁ…力が入らない…
も、ねむ…
「イザナ?イザナ!!!!」
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すべての始まりは…学校帰りのときだった
「あ?お前ら何してンだ?」
「あ!イザナお兄ちゃん!」
「イザナさん!」
「イザナ兄ちゃん!」
公園で少年探偵団の歩美、光彦、元太が何かを見ているようにしゃがんで地面を見ていた
「ここにこんな手紙が落ちてあったんですよ!」
光彦が言った
「手紙ィ?」
俺はその手紙を覗き込んだ
『・スピード
・ローチ
・しゃぶしゃぶ
・ポンプ
・ペケ
☓☓湾近くで山を踏む』
と書かれていた
「は?ウソだろ…?まじか…?」
「イザナお兄ちゃんどうしたの?」
「いそいで警察に通報するぞ!!」
「え?!」「どういうことですか?!」「どうした兄ちゃん?!」
歩美たちが驚く
「ここに箇条書きで書いてあるやつ…全部、違法薬物、もしくはそれに関連するやつの隠語だ…」
「「えぇぇ?!」」」
「しかもこの『山を踏む』っていうのは犯罪をする、犯行するという意味だ…!」
「だからすぐそこの交番まで走るぞ!」
(クソっこんな時に限って携帯の充電がねェ…!)
「おっと、それは困るなぁ?」
「きゃっ」
「歩美!」
「な、なんですかこの人たち!?」
光彦が悲鳴を上げる
丸刈りの頭な男が歩美を捕まえていた
その後ろでは黒服の男たちが4人立っていた
(こいつ等、マフィアとかそっち系の奴らだ!)
「ボウズ、それを渡せ。まぁ渡しても殺すがな?」
「逃げろ光彦!元太!」
「でっでも!」
「歩美と兄ちゃんは?!」
「いいからいけ!!ここからなら近くにある喫茶店に行け!!」
(ポアロなら兄ちゃんがいるし運が良ければ刑事がいる…!少しでも情報を渡さなければ…!)
「逃がすな!!」
黒服たちが二人を追いかけようとする
だが、
「行かせるわけねェだろ?!」
「ぐがぁっ?!」
それをイザナが許さない
「さァ、掛かってこいヨ」
「舐めるなぁっ!」
黒服たちが襲いかかってくる
そこらへんの不良とは違い、鍛えられている
(ちっこいつ等殺しをしたことがあるから躊躇ねぇ…!たちが悪ィ!)
「ぐっ」
流石のイザナも持ちこたえていたが限界が近づいてきた
「イザナお兄ちゃん!!」
歩美が泣きそうな目で見てくる
「ガァっ?!」
金属バットで頭を殴られた
とっさに受け身を取ったが、それでもダメージが大きい
頭から血が流れていくのがわかった
(くそ!)
「イザナお兄ちゃん!イザナお兄ちゃんっ!!」
歩美の悲痛な叫びを聞きながらイザナは意識を失った
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「安室さん!!」「安室の兄ちゃん!!助けてくれ!!」
喫茶ポアロに光彦と元太が逃げ込んできた
「二人共どうしたの⁉」
カウンターでコナンや刑事たちと話し合っていた安室は今にも泣きそうな顔の二人に驚いた
「イザナさんがっ」
「イザナ兄ちゃんが、殺されちゃう…!!」
「なにっ?!」
安室は二人の言葉がうまく理解できなかった
「何があったか教えてもらえるかい?」
……
「まずいな…」
安室が言う
「はい…かなりまずいです…」
佐藤刑事もうなずく
「とりあえず、その公園に案内してくれるかい?」
「はいっ!」
「この公園です!」
ポアロから徒歩約3分ほどの小さな公園にきた
「これは…!」
安室やコナンたちが見たのは
血に濡れた地面、あらされた砂場、
そして…
「これは…!イザナのピアス!」
安室は片方だけの花札のようなピアスを拾い上げた
「ねぇ安室さん」
「なんだいコナン君」
「ここにある血痕、そして人が倒れたような跡…イザナさんかなり危ないよ」
「っ!」
「とりあえず、上に連絡しましょう!」
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「うっ」
ズキリ、と頭に鋭い痛みが走る
「イザナお兄ちゃん!」
「歩美か…?」
まだ暗闇に目がなれずうまく見えないが声で歩美とわかった
「ここは…?あれからどれぐらいたった?」
「場所は、よくわからない…だけどあれから多分3時間たったって見張りのおじさんがそう言ってたよ」
3時間か…確信ではないがここは恐らくコンテナの中
わからないが☓☓湾かもしれない
「目覚めたか」
コンテナの扉から俺たちを捕まえた丸刈りのオッサンがいた
「まったく…君を捕まえるのには骨が折れたよ…やれやれ」
「おいオッサン。俺たちをどうするつもりだ」
イザナがキッと睨む
「おお怖い怖い。いやねぇ、その場で殺すのも考えたけど人身売買で売ったほうが我々の利益にもなるかなってね。まぁ君たちは見た目がいいから高い値で売れると思うよ。女の子のほうは少し幼いけど世界にはモノ好きな人が多いからねぇ?」
「ひっ」
「このクソ野郎が。ゼッテェぶっ飛ばす」
「おお怖い。やれるもんならね」
ガシャン
男はそう言い捨て扉を閉めて去っていった
「歩美」
「ひっく、何…?」
歩美は泣いていた
「このまま奴らのいいように売り飛ばされるのと、危険だが脱走するの、お前ならどっちを選ぶ?脱走して奴らに捕まったらそこでそのまま殺されるかもしれない」
「歩美は、イザナお兄ちゃんと…一緒に帰りたい!コナン君たちにもお母さんとお父さんに会いたいっ」
「そうだな、歩美。俺も兄ちゃんに会いたい」
「そのためには作戦を考えるぞ」
「うんっ」
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「組織の情報がわかりました!」
「本当か?!」
風見からの連絡に驚く
「はい。彼らの呼び名は“ジェネラル”。主に違法薬物の密入を得意とする組織です。」
よし…これで準備はできた
歩美ちゃん…イザナ…
無事でいてくれ…
前々からジェネラルの逮捕、捕獲の計画は進められていたらしいが、今回の件でその作戦が急速に行われるようになった
メンバーは爆発物の予測を考え萩原と松田を含む爆発物処理班、警視庁の伊達を含む目暮班、そして、公安からはヒロと俺を含む構成員
警視庁などの表ではイザナが被害者なため、同伴という形になっている
そろそろ作戦開始…
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えーん、えーん
コンテナの中から大きな泣き声が聞こえる
「チッうるせぇな」
見張りが子供を黙らせようとコンテナの扉を開ける
「おいっガキ!うるせムグッ?!」
「静かにしろ。騒いだらどうなるかワカルな…?」
見張りがコクコクと怯えた顔で頷いた
イザナは見張りの身動きを封じ、殺気を出しながらこう言った
「今から質問することに答えろ。イエスが瞬き一回、ノーが二回だ」
「まず、ここは☓☓湾か?」
瞬き一回
「ここにいるお前らは20人以上か?」
瞬き二回
「あの丸刈りのオッサンが組織のボスか?」
瞬き一回
「あっそ。ならお前はもう用済みな」
「ガッ」
イザナの腹への蹴りが見張りの意識を奪った
「ありがとな、歩美」
「いいよ!」
「さて次の問題は…ここをどうやって出るかだ」
その時、
《警察だ!!》
その大声が聞こえたことで一瞬で空気が変わったのがわかった
(警察?出るなら、今だ!!)
「歩美!逃げるぞ!!」
「うん!」
イザナは歩美の手を取り駆け出した
いたるところから銃声や怒鳴り声が聞こえる
(どこだ…?!ここで少しでも安全なところは…?!)
イザナは高校生で体力がかなりあるが歩美はそうじゃない
いつ体力がなくなってもおかしくない小学生なのだ
「やっと見つけたなクソガキどもォ」
ボスである丸刈りの男が銃口をこちらに向けていた
(クソッ歩美を少しでも安全なところに…!)
「よォオッサン。そんなカリカリすると老けるぜ?」
少しでも意識をイザナに向け、歩美に意識が向かないようにわざと挑発する
「このガキッ!」
「いたぞ!ボスだ!!」
この混乱でここに来たのは安室とその同期たちだった
「クソっ俺は完璧だっ!!このガキのせいですべてがグチャグチャだ!!」
「イザナ!」
「来るな兄ちゃん!!」
安室が苦しそうな顔で足を留める
「ほぉ?お前の兄貴か。なら死ね」
「兄ちゃん!!!!」
パァンパァンパァン
「イザナ…?」
イザナの胸には赤い花のようなものが3つ咲いている
「だい…じょうぶ…か?にいちゃん……」
そうイザナは微笑みながら倒れた
「イザナァッ!!!」
「コノヤロッ」
ヒロがボスの両腕を撃ち抜いた
ボスは痛みで気絶した
「イザナ!イザナ!!」
「ゲホッガハッガッ」
安室の呼びかけに返事をするかのようにイザナが血を吐く
「しっかりしろ!イザナ!!」
「にい…ヂャあ…おれを…ひろって…くれて…あり…がと……」
イザナはそう言って目を閉じた
「イザナ?イザナ!イザナ!!」
コメント
2件
死ぬなイザナ!!
∑( °口° )!?イザナタヒないで!