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第79話 「ズレる気持ち」

楓が席に着くと同時に、フロアの店員がやってきたので、鞘佳はパスタのセットを注文。

ちなみに、あの新人店員ではない。

「……先もらうぞ」

「どうぞどうぞ。冷めちゃうしね」

そんなやり取りの後、楓は自分の賄いを食べ始めた。

(前に話したときと何も状況は変わらないはずなのに……やっぱりなんか、気まずい)

再会したばかりだった頃は、二人で話せるこの状況に舞い上がっていた。

だが人は慣れるものらしい――というより、鞘佳は別のことに気を取られているだけなのだが。

「……」

楓も、普段通り黙々と賄いを食べている。

いつもなら、この沈黙にそこまで気まずさを感じなかった鞘佳だったが。

「……今日の賄(まかな)い」

「ん?」

今日はつい口を開いていた。

「それも、藤堂が作ったの?」

「ああ」

「自分の分の賄いって、自分で作るものなんだ?」

「いや************************

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