第80話 「嵐の前の」
「あ」
鞘佳の声に気づき、店内にいた待ち人は顔を向けてくる。
「――こんにちは、さやちゃん」
女性が好みそうな雑貨に囲まれた店内に、意外と溶け込んでいる、萩野だ。
見慣れた姿であり――よく話を聞いてくれている萩野の存在に、鞘佳は無意識に緊張がほぐれた。
「珍しいね。男一人で入るにはハードル高いんじゃなかったっけ?」
「まぁたまたま近くを通ったから」
「えー、そうなの? キミみたいな子なら全然問題ないと思うんだけどなー」
「……先輩それフォローにはならないと思いますけど」
続いてやってきたニコニコ笑顔の秋吉に、鞘佳は苦笑する。
(あ、なんか少し調子戻ってきたかな)
「鞘佳ちゃん、ちょっと元気になった?」
「え」
「なんか今日元気なかったから」
「! そうなの、さやちゃん」
「そ、そうかな? 自分で準備してきたご飯思ったよりおいしくなかっ**************************
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