彰冬です
あの夏が飽和する。パロ
とある事情で彰人の一人称が漢字の俺にしてます
歌詞が結構入ってます!!すみません!!
何かありましたら削除します
死ネタあり(彰冬以外の人の死ネタ匂わせあり)
別界隈で書いたものを変えてるだけなので口調おかしい可能性あります
俺が梅雨の学校から帰るとき、アイツは公園のベンチに傘も差さず座って顔を伏せていた。
声をかけると、アイツはすこし震えた声で話した
「昨日人を殺したんだ。」
「…え、?」
これは、俺とアイツの逃避行の話
「…え、そ、?それ、どういう…、」
声からして同様していることを隠せていない俺は、そう少し裏返った声で聞いた
「……、殺したのは隣の席のアイツ、いつも俺をいじってくるんだけど、流石に度を越してる、もはやイジメだと思ってさ、」
彼は淡々と話した
「…それで、それを言ったらさ、そいつ、怒ってさ、ちょっと喧嘩みたいになって、それでちょっと突き飛ばしただけだったんだよ。…そしたら、…当たりどころ悪かったみたいで、動かなくなったんだ。」
そう言っていると、彼は次第に声が震えていき、もう一度顔を伏せた
「…」
「…まぁ、もう…、ここにはいられないと思うし、どっか遠いところで死のうと思って、…それじゃ、」
そう言い、何処かに立ち去ろうとした彼の腕を気づけば俺は掴んでいた
「…え……、?」
「…あ、あのさ…っ、!」
「…それじゃ…、俺も連れてって…、!」
「…は、…?」
感情より先に言葉が出てきた。
俺のその言葉に彼は驚いた様子だった
「…え、…?な、なんでだよ…、?」
「…いや…、その…」
俺が少し押し黙ったのに気が付いたのか、彼は一息ついて、口を開いた
「…いいよ、別に」
そういう彼の表情は、何処か安心しているように見えた
一度家に戻り、荷物を鞄にまとめる
「…サイフと、…死ぬためのナイフと…、」
色々漁っていると、一つの写真が出てきた。見慣れてしまった人たちが笑っている写真
「…」
「…ま、いっか。」
…もう、この光景が戻ってくることは、無いんだろうから、
ある程度荷物をまとめ、人の目に触れないようにこっそりと家を出るドアを開けると、すぐにソイツは居た
「…あ、もういたんだな」
「…ま、荷物そんななかったからな」
そういう彼は、いつものような笑顔はなく、何処か寂しそうだった
お互い大きめな鞄を背負って、適当に歩く
田舎とは言えないが、都会にしては殺風景な見慣れた道は、いつもより広く、静かに思えた
あまり揃っていない歩幅は、普段の練習以外のインドアさを際立たせていた
「…てか、お前、あんなに落ち込むんだな、いつも見ない感じだったからちょっとびっくりしたぞ、w」
少し彼を笑顔にさせるために茶化すことを言うと、彼は少し考えて話した
「…いや。まぁ…別に、俺だって一応傷付くし」
そういう彼の表情を見れば、なにも聞かずともいつもより負った傷は深いことを感じ取れた
(……)
(そんなに、傷付くなよ、)
「…お前は、なにも悪くないよ、」
「…え、なにか言った?」
「え、あ、いや、別に…、?」
「…、?」
少しだけ夢を見た
その夢では、見慣れた人たちと俺達が笑っているところ、
「…は、」
「…なんだ、夢か、」
少し目を閉じて考える
「…もう戻ってこないんだから、忘れさせろよ…、」
そう呟くと、彼がピクリと動き、目を開けた
「…ん…ぅ…あぇ…、あ、起きてたんだ…、」
「ん…、まぁ、ちょっとあんま寝れなくて…な」
「…そ、まぁ…俺もそんな感じだけど、」
「にしては結構寝てたけどな、w」
「そうか〜?!w」
そういう彼の顔は、少しだけいつも通りさを戻していた
「…て、な、なに…」
「いや、ちょっと、」
何となく、彼の手を握ると、微かな震えも無くなっていた
「……よかった」
「……、」
落ちていた物や、誰かが置き忘れたサイフを盗んだりして、
「全然バレないし、俺らだったら何でもできるんじゃない?w」
そんなことを言いながら、人気のない場所を歩く
今の俺達だったら、何処へだって行ける気がした
怖いものなんて、全く無かったから
「あづ〜…」
「流石夏だな、…」
そんな文句を呟きながらただ歩く時間も、少し楽しく思えた
「…昔みてたようなアニメの、色んな人に称えられるヒーローなら、今の俺達も救ってくれるのかな。」
何となく俺がつぶやくと、彼は口を開いた
「…そんな夢ならとっくに捨てただろ、…だって、現実見ろよ、…今までで、そんなこと全く無かった。そんなの、とっくの昔に思い知ってただろ。」
「…自分はなにも悪くねぇと、誰もがきっと思ってる。」
一週間だけのタイムリミットに慌てふためくセミたちの鳴き声が、水も無くなって終わりが近付く俺達と少し重なって思えた
耳をすませると、パトカーなどの音が聞こえる
「もしかしたら俺ら探してるんじゃね?w」
「そうに決まってんだろw」
「…もし、捕まったらどうする?」
「は、そのときはその時だろ、w」
そんな馬鹿みたいにはしゃぎ合っていると、彼は突然鞄を開いた
「…え、どうしたんだ?なんか買いにでも行くの?そんなのいよいよ捕まるけど…」
「…もう、いいだろ?」
「…え、?どうし…」
彼が手に取ったのは、当初死ぬために用意したもの、
「…え…っ、…?」
「…お前がいたから、多分ここまで生きてこれたんだ、」
彼は淡々と話し始めた
「……きっと、一人で行ってたら最悪な光景が最期のまま俺はすぐに死んでたとおもう。」
そう話す姿は、似ても似つかないのに、何故かあの雨の日を思い出した
「…だからさ、もう、もういいよ、…もういいよ。」
少し笑みを浮かべた彼は、俺の方を見ると、そう言った
「死ぬのは俺一人でいいよ。」
そこからは覚えていない
ただ、段々近くなっていくパトカーの音と、さらにうるさく感じた虫の声と、心臓の音が嫌に耳に響いて頭をぐちゃぐちゃにされるような感覚だったことだけは覚えている
気付いたら俺は警察に捕まっていた未成年だったので保護として扱われ、少しの日々を過ぎあとにまた家に戻っていった気がする
彼の家に行くと、彼は居ない
近所の人や、テレビに映る芸能人は知った顔ばかりクラスメイトも、先生も、全員いる。なのに、なのに君だけはどこにも居ない。
あれから数年立った俺は元はと言ったら目指していなかった就職をして、日々歳を重ねている
でも、毎回この時期にはあのことを思い出す
そして、行っていた道も回るアイツを、ずっと、探しているんだ
「…君に言いたいことがあるから」
もう数年立ったし、写真もないから顔も少し薄れているけど、きっと俺はあいつのことを忘れないと思う
「…誰も、なにも悪くないよ。」
「…君は何も悪くはないから。」
もういいよ投げ出してしまおう。
「…そう言って、欲しかったんだろ?」
「彰人。」
あの夏が飽和する。
コメント
1件
最近腐ロセカ書くとき大体彰人いる………