小説描くの飽きてきた………………(((・)(・)))
4話目ですお願いします
鳴瀬シオン(15)
サカキの幼なじみ。
面倒見はいいが、少しサカキに対して
当たりが強い。
|シオンmain
1週間前までは雨になると予想されていた
空は、鬱陶しいくらいに日が照っていて
熱風でじわりと周りが歪んで見えた。
私はテントの中で手持ちの小型扇風機と
タオルで、汗の処理に追われている。
今は体育祭真っ只中。
ちょうどさっき1年生の徒競走が終わって、
2年生の5走者目くらいのところ。
高校に入って、心機一転、的なことをして
みようと思って応援団に入ったけど、
暑苦しくて溜まったもんじゃない…!
既に憂鬱だ。
サカキは面倒臭いだの走れないだの
言っていたものの、なかなかに楽しんでいて
ムカつく。
クヌギは後ろのほうで他の男子とバカ騒ぎ
してる。
軽い熱中症で保健室から帰ってきたばっかり
なのに。
「あ!ねえシオン次だよ!」
と友達に言われて目線を徒競走のスタート
ラインのほうに合わせると、
そこには赤いハチマキをつけたケヤキ先輩が
立っていた。
位置について よーい ドン。
わっ、速っ。
先輩はぶっちぎりで駆け抜けていく。
ダルそうに実況していた女放送委員を退かし
熱血系の放送委員が声を荒らげる。
あっという間にゴールにたどり着いた先輩は
こっちに気づいたのか満面の笑みでピース。
友達が隣でキャーキャー言ってる。
どうしたらあんなに速く走れるんだろう。
足の長さも関係あるんだろうか。
羨ましい……。
「やっと終わった……」
私が出場した借り物競走。
お題が「厚着の人」でそんな人いるのか?と
思ったけど、
クヌギが男子たちから小型扇風機集中攻撃を
食らって長袖ジャージを着て ワーワー
言っていたので連れてきた。
あの男子たちの輪にお邪魔するのはちょっと
不快…だったけどクヌギのことは”犬”だと
思っているのでそのままリードを引っ張って
いくように連れていった。
結果は5位中3位とまあまあな数字だった。
しかもジャージは厚着に入るのか、と
審議になって時間をとられたし。
次は綱引きかぁ。
「あ!本命来たよ本命くん!」
「だーかーら!そんなんじゃない!」
本命くんとはサカキのこと。
私がサカキと幼なじみなことを発してから
ずっとこうだ。
周りはみんな
「恋愛漫画みたいなことってあったりする?」
「応援してるからね……!!」
「あの2人付き合ってんじゃね?」
ってゴチャゴチャ言ってくるけど、
そんなわけないじゃない。
私にとってサカキは弟みたいなものだ。
なにより私は恋に関して、全く分からない。
女子に人気の2年生の橘先輩は性格悪そうに
見えるし、
1-3の担任で、数学担当の横山だって
別にかっこよくない。
決して口にはしないけど、友達を見てると
本当に馬鹿馬鹿しく思える。
ケヤキ先輩は私と一緒で恋がよく分からない
人だったから私は懐いている。
(先輩の論点は少しズレてるけど。)
パァンッと音が響いて、
赤青一斉に綱を引っ張る。
2回戦で黄色と緑がやって、最後に勝った
2組が闘う。
しばらく会場が応援で盛り上がっていると
サカキがバランスを崩して吹っ飛んだ。
「ダ、ダッサ!!」
テントで私含む何人かが言い放つと、
会場には笑いが巻き起こった。
私もフッと笑いを零した。
でもそれに気づいた途端、なぜか急にすごく
悔しく思えた。
その後の競技はボーッと見ていた。
2年生のおふざけが入った団体戦も、
3年生の騎馬戦も、
クヌギが参加したリレーも。
応援だって精一杯声を出したけど、
全部ほぼ無心だったかもしれない。
優勝は赤組にとられて、私たちは拍手を
送った。
鼻をすすりながら感謝を伝える3年生。
「来年は俺らかー」と面倒くさがる2年生。
「楽しかったね」「悔しいー!」と語る1年生。
私はこの中のどれでもなかった。
片付けを済ませて足早に帰った。
サカキたちに呼び止められたけど、
私は小さく「ごめん」と言って
親の車に乗り込んだ。
「お昼そうめんだよ」「夜お寿司食べにいく?」
と言う母に適当に返事をする。
家について、洗濯カゴに体操着を入れて
二階に駆け上がった。
その場に倒れ込んだ。
ため息を何回もついて、
布団にもぐってみたけど暑くてすぐ辞めた。
あのときなんで悔しかったかは分からない。
─恋バナ?をするとき皆は顔を赤くしたり
自分のことじゃないのに相手を自慢したり
楽しそうに話している。
だから、この思いが恋なんてことはないと
思う。
私は急に息苦しくなって、
「クぅ〜〜〜!!!」と足をバタつかせた。
「恋だったら良かったのかな……」
下の階に聞こえないよう声を押し殺して、
けれどはっきりと呟いた。
話がゴチャゴチャ……。ケテ…タスケテ……
次回!!
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