そういえば、起きてから一回も会っていない彼奴らは、どうしているのだろうか。ふと、そんな考えが頭をよぎる。もう怪我だって治ったし、久しぶりに会ってみるか。そう思うと俺は、あの基地に足を運んだ。
久しぶりに来るこの基地は、最後に見た時と何ら変わっていなかった。強いてゆうなら、少し頑丈そうになっているだろうか…?まぁそんなことは置いておこう。今もここにいるかは分からないが、あの時の仲間に、…いや、友人達に会いに行こう。
一つ一つ、丁寧に階段を上がる。前はいつも鍛錬や作戦を立てたりする声が聞こえてたのだが…。…静かなのが少しなにか来るものがあるが、まぁ気にしないでおこう。まだ、感情がこぼれるには、早過ぎるからな。
廊下を歩いていると、前、作戦会議の時に使っていた会議室のドアが少し空いており、何やら2人ぐらいの話し声が聞こえる。その話し声は、どうにも聞き覚えのある声だった。まさかと思い、急いでドアを開く。そこには、かつての仲間…いや、友人達がいた。
『先輩…イタ王…』
思わず、2人の呼び名をこぼしてしまった。2人は、初めは俺と同様、相当驚いた様子だったものの、すぐに素に戻り、話しかけて来る。
「日帝!生きてたんだ!良かった〜!!!」
「これで、三国同盟の全員が揃ったな。」
…あぁ、あの時と同じだ。あの、酷かった時代と同じ。…でも、少し違う。今はすごく平和になってる。こんなに安堵出来たのは父さん達に、家族と改めて認められて以来かもしれない。
『…久しぶりだな。2人とも、元気だったか?』
…こんな言葉でよかったのだろうか。2人は友人だから、一応大丈夫だよな…?そんな考えが頭をよぎる。なんだか、昔は2人に、…いや、2人以外にも硬っ苦しく接してたから、今更こんな友人っぽくしても良いのだろうか…。
「「!!」」
…ほら、2人に驚かれてしまったじゃないか。やっぱり、俺には” ”と言う言葉は似合わなさすぎる。…いや、正直、友人という言葉も似合わなさそうだな。…じゃあ、この関係はなんなんだ?ただの知り合いでは済まされないが、友人とも言えない、この関係はなんなんだ?…これじゃぁ、俺が欲しい、” ”とは程遠いじゃないか。
『…どうしてそんなに驚くんだ?』
…つい、聞いてしまった。あぁ、どうしようか、すごく怖い。これで、” ”と言われてみろ、俺は心の底から絶望する事になるぞ?なぜ俺はこうも自分の首を絞めるような事しか言えないのだろうか。俺は、自分のこういうところが大っ嫌いだ。…本当にこんな俺なんて消えてしまえb「日帝!!!」
『ッ、』ビクッ
『…どうした?』
…しまった、考え込んでしまった。…2人の顔を見るに、俺に呼びかけてもロクに反応しないから少し心配したのだろう。…無駄に心配をかけされるだなんて、本当にダメだな、俺は。
「…日帝、僕らが日帝の言葉で驚いたのは、いつも日帝がそんな感じに言ってくれなかったからだよ。」
「…友人となって、…いや、仲間となって初めてだったからな。」
『…だかr「だから、嬉しかったんだ。」
『ッ、!』
嬉し…かった…?なんでだ…?今までこんなじゃ無かったんだから、不快に思うはずじゃないのか…?そんな疑問が、俺の中で積み重なっていく。何故、どうしてと、答えのない疑問で頭の中が埋め尽くされる。
「…日帝は、今までと違う事をしたから僕達に嫌われるとでも思ったの?」
『…ッ、!それ、は…』
「…、さては図星だな?」
『ゔっ、…はい…』
…相変わらずこの2人は、人の感情や心を読み取るのが上手いな。昔から、相手の言いたい事を大抵わかっている。…俺の言いたい事とか特に。それに対して、俺はあれだけ2人の近くにいたのに、2人のことがよく分からない。例えば…
「…僕らが日帝の事を嫌う訳ないでしょ?」
『…なんでだ…?』
これだ。俺は、これ、2人が俺の事を”嫌わない”理由が分からない。なんでだ?なんで、俺の事を嫌わない?…少なくとも、俺が国になるまでに会ってきた奴はほぼこの事で俺の事を嫌いになっていった…。…なんで、2人は嫌いにならない、むしろ嬉しいなんて思ったんだ…?
「…漸く自分らの”仲間”が心を開いてくれたのに、喜ばない馬鹿は居ないだろう?」
『…ッ…!』
“仲間”その言葉に俺は反応した。…なかま…俺が?…俺は、ちゃんと2人に仲間だと思われていたのか…?
『…仲間って…、俺が…ですか、?』
「他に誰が居るっていうの?」
『…!』
…仲間…。…裏切られる事が怖くて、俺が避けていた言葉。裏切られて…絶望して…泣き叫んで…。そんなテンプレが嫌だったから、自分からそう認めるのは辞めた言葉。
『…良いのか?…俺が、俺なんかが…お前らを仲間と思っていて、良いのか…?』
「もっちろん!!」
「寧ろ、ダメと言うとでも?」
『…っ、…』
…あぁ、やばい。この基地に来てからずっと耐えていた感情が溢れ出して来そうだ。…いや、違う。これは、最初に感じてたものと違う。あの時と…あの二人に、認められた時と同じものだ。…今なら、あの時と同じように、この2人に今の気持ちを言ってもいいのかもしれない。あの時と、同じように…。
『…俺も、2人は大切な仲間だと、今、思えたよ。』
ありがとう。
コメント
4件
やばい、どうしよう、勝手に息苦しいし、目から水が出てくる、すごい感動した😭👏✨
主さん天才過ぎん?
次日帝何を認められたいんだろうなぁ!?仲間と家族認められたらもう終わりじゃね!?これ()