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エウリが、目の前からどこか行こうとしていた。
必死で止めようと声を張り上げるも、声は出ないし、動けない。
やがて、エウリは奥の暗闇へと向かう。
そっちは、“行っては行けない”
ダメだ。行かないで、お願い
そう叫んでも、声は出ないし、動けない。
やがて、その暗闇はエウリを飲み込んだ。
✵✵✵✵✵
「エウリッ!!!」
すまない先生はガバッと飛び起きた。そして、肩で荒く呼吸を繰り返す。気がつくと、学校の保健室のベッドに横になっていた。
ぼんやりしていたが、やがて意識がハッとし、立ちあがろうとした。
「エウ・・・ッ!?」
突然ガクッと力が抜ける。そのまま地面に転がった。
まるで、血が大量に抜けた後みたいな気だるげさもある。
すると、
「すまないくーん!!ちょっと聞きたいことがー!!」
「ぎゃん!!」
「・・・あっ、ごめん・・・w」
突然窓から風夜が飛んできた。そして、床に転がっていたすまない先生を踏んずけてしまう。
「・・・ん?・・・すまないくん、その“背中”どうしたの?」
「へ?」
それと同時に、ブラック達が入ってきた。
「すまない先生!!起きましたッて風夜!?どこから!?」
「窓から」
「ちゃんとドアから入れ!!」
「失礼します!あ、すまないそこでたまたまエックスと会ったから住所通り来た!!」
「失礼する!!すまない!!」
「うわっ!?誰か来た!!」
「誰この人!?」
「もうめちゃくちゃだなおい!!!」
保健室なのにめちゃくちゃ騒がしいのはなんだろう・・・
✵✵✵✵✵
「うっっわ!?なにこれ!!」
すまない先生は背中を確認した。背中は傷は治っていた。だが、怪我したところがあの泥のモンスターと同じ色に変色していた。
「すまない先生、泥のモンスターの攻撃を食らったんですよ。傷は塞がってますけど、それだけはそのままなんですよ」
「ふぅーん、まぁ、別にいっか☆」
「「軽いなおい」」
思わず銀さんとブラックは同時にツッコミをいれた。
「それで、風夜の方は一体なんの用ですか?それと、久しぶりですね。1週間ぶりですね」
「うん、久しぶり〜。あ、そうそう」
と、風夜は本を3冊取り出した。そして、3冊の本をめくる。すると、
「・・・は?・・・なんだ、これ?」
思わず机によじ登って本を見た赤ちゃんがそうこぼす。
本はとあるページを境に、黒ずんでいた。最後のページなんかはもう真っ黒で何が書いていたのかすら分からない。
「・・・これ、なんですか?」
そうブラックが聞くと、風夜は答えた。
「・・・これはね、“嘆きの泥”」
「「「「「「「「“嘆きの泥”?」」」」」」」」
その言葉にふと、エックスとライトが反応した。
「大昔、神様が世界を蔓延る泥を追い払ったって御伽噺であるでしょ?その追い払う前の泥の名前が“嘆きの泥”それに触れれば草木は生えないし、人によっては酷い激痛や、動けなくなるんだ。人が“正”としたら泥は“負”。切っても切り離せない存在だ。」
「・・・ところで、この本は?なんで、この本はその“嘆きの泥”で?」
「・・・すまないくん、本の表紙の題名を見てごらん」
「え?う、うん?」
すまない先生は3冊の本の表紙を見る。すると、そこには今この時代では使われていない文字で書かれていたが、すまない先生には読めた。そこには、
『“人々に武器を教えるモノ”』
『“人々に戦い方を教えるモノ”』
『“人々に困難に立ち向かえる力を与えるモノ”』
そう表紙に書かれていた。前半2つは分かる。だが、後半の名前は・・・?すると、
「「思い出した」」
ふと、ライトとエックスが同時に呟いた。その言葉にすまない先生達はライト達の方へ向いた。
「思い出した・・・って記憶が?」
「あぁ、全部思い出した・・・」
「・・・余もだ。そして、“もう1人”のことも」
「もう1人ってこの本の“人々に困難に立ち向かえる力を与えるモノ”さん?のことですか?」
そう銀さんが聞くと、ライトとエックスは頷いた。
「・・・“人々に困難に立ち向かえる力を与えるモノ”」
「それは、余達と同じ、神様に作られた道具だ。そして、それの名前は」
そこで1呼吸入れ、答えた。
──“エウリ”だと。