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1話
「お前ら、ちゃんと俺の命令通りにやれと言ったよな?」
出雲は、4人の元生徒達を正座させ、説教をしている。
「門の見守りなんかつまんねぇだろ、普通に。」
朝霧阿須(あさぎりあす)、和国の代表者で陽炎様と呼ばれている。少し不良っぽいところがあるが、成績も能力も強力で優秀な男である。
「眠いし、お腹空いたし。団子食いたかったし。」
彗(すい)、華国の代表者で稲妻様と呼ばれている。のんびり屋で喋り方もすごく遅い。1部の記憶がないため、子供の時の話を聞いてもほぼ覚えてないそう。けど、阿須と同じぐらい優秀。少し不思議な人間。
「すみません、出雲先生。私と麗乃はついて行っただけなんです。」
涼風蒼(すずかせあお)、藍国の代表者で月花様と呼ばれている。藍国の天王様の娘である。大金持ちで、術能力学校に通っていた時、阿須や彗より一個下の学年だが、先生が能力を認め、天王様がお金を出した理由で飛び級。現在、阿須達と活動している。
「あ、蒼ちゃん!私達も一緒に食べたでしょ!」
「う、うるさいわよ!麗乃!!」
日和麗乃(ひよりれの)、翠国の代表者で花影様と呼ばれる。医療術メインの医師。もちろん基礎的な術を使って戦えることはできるが、あまり得意では無いそう。貧乏な家庭で育ったため他の人とは価値観が違っていたりする。
「お前らしばらく緊急任務以外外出禁止な」
出雲にそう言われ、4人は逆ギレ。
「くそ出雲…」
「うるせぇ、クソガキ」
「なんっで、俺ら代表なのに任務出されても行っちゃダメなんだよっ!!!!!!!国のために働いてんだぞ?! 」
いつまで経っても、騒いでいたのは阿須だけ。
他の3人は当たり前だろと言うような態度と表情で歩いていた。
「馬鹿阿須」
蒼がポソりと言う。
それが耳のいい阿須には聞こえた。
「おい、蒼。てめぇ俺より歳下だろうがよ?金持ちの家の子なのに礼儀もなってねぇのか? 」
「逆にあんたは出雲先生に育ててもらってんのに、なんでその態度なの??」
「くそ、殺す」
相変わらず、阿須と蒼は不仲。
それを止めるように麗乃と彗が入る。
「ま、まぁまぁ。蒼ちゃん、
気にしない気にしない!阿須くんもきっと本気じゃないわよ? 」
「そうだよ。阿須もやめなよ。そういうのめんどくさいよ。」
麗乃はゆっくり優しい声で蒼を癒す。
彗はめんどくさいというような顔と声でのんびり話す。
それでも阿須と蒼は反抗した。
「「だって!!!!!!」」
ここまで声が揃うと、もはや仲がいいようにも見えてくる。
でも、それは彗と麗乃にとっては慣れっこ。
「麗乃、俺。阿須連れて帰るから、蒼のことよろしく。」
「分かったわ!蒼ちゃん!帰るよ!!」
阿須と蒼は拗ねながら、それぞれ2人に連れられて帰って行った。
次の日
「お前らに任務が来たぞ〜」
朝、出雲が紙をヒラヒラさせながら歩いてきた。
「まじか、もう復帰いいん?!」
阿須が目をキラキラさせながら、出雲に近寄った。けど、期待外れで、
「ちがーう。アンケートに答えてもらうだけ。だから、教室に集まってもらったんだろ。結構重要なアンケートだから、真面目に答えておいてね。ちょっと俺は任務やらなんやらで忙しいから、退出させてもらうけど、提出したら教卓の上に置いておいてね。」
出雲は優しい声で言った。けど、心做しか焦っているようにも見える。
「彗〜、早く終わらせてなんか食いに行こうぜ。俺の国来いよ。」
「うん。いいよ。和食和食。」
まるで学生かのように約束をする阿須と彗。
けれど、そんなすぐに終わるような簡単なアンケートでもない。よく考えて書かないといけないアンケートだった。
続