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翌日
「千愛、映画予約したぞ。その前に両方のおばあちゃんの家」
「やったぁ、パパ。いついつ?」
「えっと…」
「パパに聞いて、千愛がカレンダーに書いてくれる?」
「オッケー!!」
わざわざ自分の部屋からカラフルなペンを持ってきた千愛が
“おばあちゃん”
“ばあば”
“えいが”
と大きく書いたので、1月のカレンダーが一気に明るく元気な壁掛けになった。
ちなみに千愛は、夫の両親をおじいちゃんおばあちゃん、私の両親をじいじばあばと呼び分けている。
「楽しい予定の前に、大掃除だな。明日は一日大掃除。千愛も自分の部屋の掃除」
「掃除はママがいつもやってるよ」
「大掃除は、いつもと違うところを掃除する。本をのけて棚を拭くとかな」
「ええ……面倒くさい」
「大掃除の後は、ファミレスっていうのはどうだ?ママ、それでいいか?」
「ええ、ありがとう。じゃあ、夕食作りをお休みさせてもらうね」
「たまにはいいだろ」
ここで夫と目が合うことが満足だ。
夫の言葉に全く緊張しなくなった今、私のささやかな幸せが、この家にあると思えるようになってきていた。
もしも仕事に行かないまま一人で考える余計な時間があれば、夫の外での行動を悪いように想像する日々が続いたかもしれない。
でも忙しく過ごしていることは、目の前のことしか気にならないという副産物を生み出した。
そして、たった一駅だけど電車に乗って仕事へ行き、一日の時給計算で稼げる金額を考えると、夫がどれだけ頑張って毎月稼いできてくれているのか、という感謝も生まれる。
これでいい…これから先の未来の方が、グンと長いもの。
ささやかな幸せを、積み重ねていきたいな。
コメント
1件
勘ぐっちゃってごめんなさい🙏 風子さんの穏やかな笑みが目に浮かぶ😌 細やかな幸せ… 忘れがちな幸せ🍀 それを感じられる風子さんとっても素敵な女性でありママであり、妻だね✨