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一方洋平は、ABCスーベニアストアの入り口にあるグミの測り売りコーナーにいた



そこには、色とりどりのグミが天井までびっしりと陳列されている




「すごいな・・・あの天井のはどうやって取るんだろう?」



彼は首が痛くなるぐらい上を向いて呟いた



目の前にある透明なショーケースの中には、虹色の光を放つようなグミたちが、まるで宝石箱をひっくり返したような豪華さで並んでいた



蛍光ピンクのストロベリーグミ、青のブルーハワイ、黄色のパイナップル、緑のライム、赤のチェリーや、紫のプラムなど、その色彩は見る者の心を華やかにさせ、洋平は目がチカチカした



「なんか・・・ハワイに来てから色彩感覚がマヒしてるな」




ショーケースの横には、大きな秤が設置されており、グラム単位で販売されていることを示して『Free tasting』(※試食自由)と、張り紙がされているのを、洋平は興味津々で見つめた



「これは試さなくちゃ!」




洋平はまず、真っ赤なソフトチェリーグミを透明な箱から取り出し、口に放り込んだ



鮮やかな赤は、甘酸っぱいチェリーの味わいを予感させ、思ったより柔らかく、口の中で溶けていくグミは、まるでハワイの果実を、そのまま食べているかのような錯覚を与えた




「ようへいくぅ~ん」




そこへ黄色いポリ袋に入ったマカデミア・ナッツを両手に沢山持ったくるみがやってきた



「ん!」



洋平がチェリー・グミをくるみに差し出すとパクッとくるみが口に入れた



「おいしいっ!」


「うん、これは買いだな!」




と洋平は秤にスコップ1杯分のチェリーグミを入れた



次に洋平が手に取ったのは、15センチのモノサシほどの青いブルーハワイグミだった



海の色を思わせるそのグミは、ビヨンビヨンと左右に揺れている、洋平は半分かじって、残り半分をくるみの口の中に入れた



両手が荷物でふさがっているくるみは、餌を待つひな鳥の様に、洋平に与えられるままに大きく口を開けた




モグモグ・・・

「ん~~~~!」

「ん~~~~!」



二人の頭に電球が灯り、お互い顔を見合わせた



食べるとすぐに甘さとココナッツの香りが口の中に広がり、まるでビーチで飲むカクテルのような味わいだった



さらに二人でパイナップルグミ、とても酸っぱい緑のライムグミには二人で唇を尖らせてシワシワにした、そして最後に紫のプラムグミを試した



見た目からは想像できないほど、深みのある甘さと微かな酸味が絶妙にマッチしており、二人はもぐもぐ口を動かした




「私!これ一番好きかも、洋平君は?・・・んんん~っ?」



とくるみは笑顔で振り向いた時、いきなり洋平に顔を両手で挟まれてキスをされた、そしてぐるりと彼の舌で口の中をかき回されたと思ったら、くるみの食べていたグミを口うつしで取られた



くるみはあまりにも驚いて思考が一時停止した




もぐもぐ・・・「僕はこのグミが好きだな・・・もっと食べさせてよ」



ウィンクする洋平を見てくるみは真っ赤になった




キャー―!いっ・・・いくらでもどうぞーーーっっ!ハッピー・ハネムーンの予感ーーーー!





くるみは心の中で叫んだ





・:.。.・:.。.





夕方が近づくにつれ、アラモアナセンターからホテルへと戻ったくるみと洋平は、バルコニーへと足を向けた




ホテルの部屋からは、ワイキキビーチが一望でき、水平線に沈む夕日を見ることができる場所だった




ハワイの空は赤、橙、ピンクと、まるで絵画のように色彩豊かに染まっていく。海面はその色を映し出し、まるで金色の道が海から天へと続いているかのようだった



しばらく二人は言葉もなく、その美しい光景に見とれていた。



「凄く・・・きれいね・・・洋平君・・・」



「うん・・・何回もハワイの夕日は見てるけどこんなに綺麗だと思ったことはなかったな」



ニッコリ「きっとくるちゃんと見てるからこそ、こんなに美しく見えるんだろうね」




くるみはその言葉に心を打たれ、頬を染めながらも洋平の目を見つめた




「洋平くん・・・私も・・・洋平君とこんな綺麗な夕日見れて・・嬉しい」





―私達・・・とっても良いムード・・・今夜こそはハッピーハネムーン・・・(はぁと)―




彼女の声は小さく、甘く震えていた。洋平はくるみの肩を強く握りしめ、自分に引き寄せた、くるみはもうメロメロだ




二人はこのロマンチックな瞬間を胸に刻み、バルコニーから見えるハワイの風景と供に、永遠に思い出として心に留めた




夕日は徐々に海に沈んでいき、暗闇が訪れる中でも二人は互いの存在を感じ、温かな愛を感じていた





「寒くなってきたね・・・部屋に入る?」


「うん(はぁと)」





しかし、その甘美な時間は、突然のインターフォンの音で打ち砕かれた



くるみがドアを開けると、そこには由紀と慎吾がいた



二人はそれぞれ手にピザの箱や紙袋を持ち、明らかにパーティーの準備をしてきた様子だった。由紀はその場で跳ねるようにして、弾けるような声で言った




「港ですっごく美味しいガーリックシュリンプを見つけたの~♪くるみちゃん達にも食べさせたくて買って来たの!」




慎吾も楽しそうに言う



「パーティしませんか?ピザも飲み物もありますよ!」




くるみはその声を聞いた瞬間、心の中で「はあ・・・」と深いため息をついた




せっかくのロマンチックな時間が台無しにされた瞬間だった




え~・・・ど・・・どうしよう・・・でも・・・私達の為にこんなに買ってきてくれたんだよね・・・昼間もお世話になっちゃったし・・・無下に帰すのもなぁ~・・・



くるみは戸惑いながらも、部屋に入ってきた二人の勢いに圧倒され、反論する余地もなさそうだった




洋平も困ったように微笑み




「少しだけですよ・・・夜になったら帰ってくださいね」



と言って、(またまた、しょうがないよね)とくるみに目配せした



まぁ・・・洋平君の言う通り・・・1~2時間一緒に食べて帰ってくれればいいし・・・




くるみも肩をすくめて洋平と目配せをした




部屋の中は一変し、由紀と慎吾が持ってきたパーティーグッズが広げられると、まるで子供の誕生日パーティーのようになってしまった



テーブルにはピザとガーリックシュリンプが積み重ねられ、ゲームのボックスが散乱し、プラスチックのカップと紙皿が出てくる




「うん!確かにこのガーリックシュリンプ旨いな!」


「でしょ!でしょ!このピザも絶品ですよ」


「くるみちゃんも食べなよぉ~♪」




洋平にすっかり懐いて嬉しそうに言う、慎吾がピザの箱を開けると、チーズの匂いが部屋中に広がった



ニコニコしている由紀を見て、くるみはその匂いに釣られてお腹がぐぅ~・・・と鳴った




「まぁ・・・確かに・・・お腹空いていたし・・・」




と小さな声でつぶやいた




せっかく由紀さん達が・・・私達のために買ってきてくれたんだから、食べないと申し訳ないか・・・




くるみはそう考えた、由紀はくるみに近づき言った



「ねえねえ、洋平さん!この麻雀ゲーム知ってる?ちょっと難しいけど、これすごく面白いのよぉ~!ロビーで借りて来ちゃったぁ~」




と楽しそうに麻雀ゲームの箱を突きつけた



フンッ「僕にこれをやれと?」



「頭の良い洋平さんのお手並み拝見よぉ~♪」




となんだかんだ言いながらも、二人は由紀の元気さに引きずられるようにして、そのゲームに手を伸ばした




「くるちゃん麻雀できる?」


「う~ん・・・ドンジャラぐらいなら」


「簡単よぉ~!教えてあげるからくるみちゃん私の隣座って!」




由紀はくるみを強引に引っ張り、自分の隣の席まで案内した。くるみはその熱意に負け、仕方なく座った、由紀は洋平の隣に座り




「さあ!真剣になるためにお金をかけるのどう?」



と楽しそうに言った



「うん!賭けよう!賭けよう!」



と慎吾



くるみは洋平を見た



「ど・・・どうする?洋平君?」




洋平がサラッと言った



「いいけど・・・どうせ僕が全勝ちするけどそれでもいいの?」



ケラケラ「あ~~!言ったわねぇ~慎吾君はすっごく麻雀が強いの!負けないからぁ~」



「こう見えて僕は麻雀には少し自信があるんですよ、洋平さんには申し訳ないけど~まぁ・・良い勝負ができたらいいですよね」




慎吾も由紀もノリノリで、ピザを食べながらの麻雀大会は、思ったよりも盛り上がった



由紀の明るさが部屋を支配し、必死に合わせる慎吾のジョークも笑いを誘った、くるみも次第にその雰囲気に引き込まれ、笑顔を見せるようになっていった



しかし、くるみの心には、バルコニーで見たあの夕日と、洋平との静かな時間がまだ残っていて、時折そのことを思い出すと、ちょっとだけ寂しくなった





【数時間後】





「ロン!」





洋平が並べた麻雀パイを倒して自分の手の内を見せて言う



「じ・・・10万!負け(泣)」



慎吾が洋平の点数を数えながら震えている



「どうすんのよぉ~~~!私達ボロ負けじゃない~~~!」



由紀が慎吾の背中をポカポカ殴っている。その様子を足を組んで洋平がフンッと鼻を鳴らす




「でも遊びにお金を賭けるのは、やっぱりよくありませんね、だからこれはなかったことにしましょう」




洋平が掛け金が書かれている紙をベリッと破いた



ホッ・・・「よっ・・・よかったぁ~~~」


うわ~~ん「ありがとうぅ~~~♪ようへいさぁ~~ん(はぁと)」


「あっー!」




由紀が洋平の腕に抱き付いた、思わずくるみが声を上げた



なぁに?なぁに?由紀さんったら、洋平君にベタベタしてっ!面白くないんだからっ



もう早く帰って欲しいわっっ



くるみは由紀が持ってきた缶ジュースを一気に飲み干した



「ちっ・・・ちょっと!くるちゃん!それ!」



洋平が青ざめた顔で、くるみが手に持っている缶を見る



「え?」


「あー!」




そして慎吾もくるみが飲んでいる物に気が付いた




「くるみさん!それハワイのウォッカですよ!口当たり良いけどアルコール強い!」




慎吾が焦って言う




「え?私てっきりジュースだと思ってこれで2缶目・・・・ 」




―ぐらっ―「はれ?」





バター―――ン「わーーーーくるちゃん!」


「くるみさん!」


「きゃーーーーくるみちゃん」




またくるみはひっくり返り日中の買い物の疲れか朝までぐっすり眠ってしまった



ハッピーぐっすりハネムーンwww二日目





・:.。.・:.。.





くるみはリッツ・カールトン・スイートホテルの部屋へと続く、ガラスのドアを開け、バルコニーに一歩足を踏み出した



そこには、爽やかで、小鳥がさえずる、美しいハワイの朝が広がっていた




目の前には、ワイキキビーチが広がり、朝日に染まる海がキラキラと輝いて眩しい、くるみは目を細めた




海面は、太陽の光を反射して黄金色に輝き、まるでダイヤモンドが散りばめられたかのようだ




遠くにはダイヤモンドヘッドが見え、そのシルエットが朝焼けの空と溶け合い、絵画のような景色を作り出していた。




夕べと比べ、今は波の音はとても静かでまるでハワイの自然が、落ち込みまくっている、くるみに、優しくに語りかけるかのようだった




バルコニーのテーブルには、昨夜洋平が飲んだと思われるシャンパンとグラスが置かれていた




そしてその横には、タバコの吸い殻が積もった灰皿・・・明らかにくるみが熟睡している間に、洋平が一人で夜中ここで吸った形跡があった




くるみは深呼吸をした、海から吹く風が彼女の髪を優しく揺さぶり、昨夜の酔いも、後悔も少しずつ浄化していくかのようだった





ハワイに来てから二日間も私は酔って熟睡してしまった




ああ・・・彼はあんなにフラダンスが上手くなってしまって・・・一晩でお酒もタバコもこんなに進んでしまって・・・




だぁ~~~~っとくるみは滝のように涙を流した




ハネムーンなのにっっ!!バカバカバカ!私のバカッ!




二日も酔いつぶれて熟睡して、旦那様を一人にしてしまうなんてっっ!!そしてあっという間に最終日




私はなんて悪い妻なの!!






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