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#からぴちBL
璃寧_
1,318
夢来(ゆら)
『限界ホストは癒されたい』
第6話「今度は、俺が支える番。」
※この作品は創作です。
※ご本人様とは一切関係ありません。
※苦手な方は閲覧をお控えください。
〜たっつんside〜
午後7時。
tt「…………」
会社のデスクに座ったまま、俺はパソコンの画面を見つめていた。
……終わらへん。
今日中に提出するはずだった資料。
何度も確認した。
何度も修正した。
それなのに。
上司「黄神くん、ここの数字が違ってるよ」
tt「……あ、すみません」
上司「これじゃ先方に出せないから、もう一度確認してくれる?」
tt「……はい」
……またや。
今日だけで、何回目やろ。
朝からずっと、こんな調子。
いつもなら笑ってごまかせることも。
今日は、なんだか上手くいかへん。
tt「…………」
……あかんなぁ。
俺。
こんなに仕事できへんかったっけ。
hr「……たっつん?」
tt「……ん?」
顔を上げると、ヒロくんが立っていた。
hr「……まだ帰らないの?」
tt「……あー、ちょっとな!」
hr「……そっか」
tt「先帰っといてええで!」
hr「……でも」
tt「大丈夫やって!」
……笑え。
いつもみたいに。
tt「俺、あとちょっとやから!」
hr「…………」
ヒロくんは、少しだけ心配そうな顔をした。
でも。
hr「……無理しないでね」
tt「おう!」
そう言って、ヒロくんは帰っていった。
……静かになったオフィス。
俺は、もう一度画面を見る。
tt「…………」
……なんでやろ。
今日は。
いつもみたいに、元気が出えへん。
〜じゃぱぱside〜
午後9時。
jp「……あれ?」
スマートフォンを見つめる。
……たっつんから、連絡がない。
いつもなら。
『今日も仕事頑張ったで!!』
とか。
『じゃぱぱ、今日も可愛いな!!』
とか。
何かしら送ってくるのに。
jp「…………」
……今日は、静かだ。
いや。
別に、毎日連絡する約束なんてしてない。
仕事が忙しいだけかもしれないし。
jp「……でも」
……気になる。
前にふたりで出かけてから。
俺たちは、前より少しだけ連絡を取るようになった。
くだらない話をしたり。
今日食べたものを送り合ったり。
時々、電話したり。
……それが。
いつの間にか、楽しみになっていた。
jp「…………」
俺は、メッセージ画面を開いた。
『たっつん、今日もお仕事?』
送信。
……数分後。
『せやで!』
短い返信。
jp「…………」
……あれ。
いつもなら、もっと長いのに。
『大丈夫? 忙しい?』
送信。
少しして。
『大丈夫や! もうちょい頑張るわ!』
jp「…………」
……大丈夫、か。
俺は、スマートフォンを握り直した。
……なんだろう。
その言葉が。
いつもより、少しだけ寂しく見えた。
〜たっつんside〜
午後10時。
tt「……終わったぁ」
ようやく、資料の修正が終わった。
……疲れた。
椅子にもたれかかって、天井を見上げる。
tt「…………」
……今日は、最悪やったな。
ミスばっかり。
迷惑ばっかり。
……何やってんねやろ、俺。
スマートフォンを見る。
じゃぱぱからのメッセージ。
『大丈夫? 忙しい?』
tt「…………」
……優しいなぁ。
ほんまに。
tt「……会いたいな」
ぽつりと、呟いた。
……でも。
今の俺で会いに行っても。
きっと、心配かけるだけや。
いつもみたいに笑われへんし。
楽しい話もできへん。
tt「…………」
……やめとこ。
今日は、まっすぐ帰ろう。
そう思った、そのとき。
スマートフォンが震えた。
『お仕事終わった?』
tt「…………」
……じゃぱぱ。
『今終わったで!』
返信すると。
すぐに、次のメッセージが届いた。
『少しだけ会えない?』
tt「…………」
…………。
tt「……え?」
……会う?
じゃぱぱと?
今から?
tt「…………」
……嬉しい。
めっちゃ嬉しい。
でも。
tt「……今日の俺、元気ないで」
思わず、そう打ってしまった。
送信。
……あ。
何言うてんねん、俺。
こんなん送ったら、余計に心配させるやろ。
慌てて取り消そうとした。
その瞬間。
返信が届いた。
『うん。だから会いたい』
tt「…………」
……え。
『元気ないたっつんにも、会いたいよ』
tt「…………っ」
……あかん。
こんなん。
嬉しすぎるやろ。
〜じゃぱぱside〜
jp「……よし」
スマートフォンをしまって、立ち上がる。
今日は、もう仕事が終わっている。
スタッフに声をかけて、店を出た。
夜の街は、少しだけ静かだった。
……たっつん。
いつも元気で。
いつも笑っていて。
俺のことを、好きだと言ってくれる。
でも。
……そんな人だって。
落ち込む日くらい、あるよね。
jp「…………」
前に、たっつんは言ってくれた。
『俺の前では、無理せんでええからな』
……あのとき。
すごく、嬉しかった。
だから。
今度は、俺の番。
jp「……待っててね」
小さく呟いて、待ち合わせ場所へ向かった。
〜たっつんside〜
夜の10時半。
駅前のベンチ。
tt「…………」
俺は、ひとりで座っていた。
……ほんまに来るんかな。
いや、来るって言うてたけど。
こんな時間に呼び出して。
……申し訳ないな。
tt「……はぁ」
小さく息を吐く。
そのとき。
jp「……たっつん!」
tt「…………」
顔を上げる。
そこには。
少し息を弾ませたじゃぱぱが立っていた。
tt「……じゃぱぱ」
jp「……お待たせ!」
tt「……いや、全然」
jp「……ふふっ」
じゃぱぱは、俺の隣に座った。
……あれ。
いつもなら。
『たっつん! 元気ないじゃん!』
とか言いそうなのに。
何も聞いてこない。
ただ。
隣に座ってくれている。
tt「…………」
……なんやろ。
それだけで。
少しだけ、安心した。
〜じゃぱぱside〜
……たっつん。
いつもより、静かだ。
笑顔も、少ない。
でも。
無理に笑わせようとは思わなかった。
jp「……寒くない?」
tt「……ん? 大丈夫やで」
jp「……そっか」
俺は、近くの自動販売機で買ってきた温かい飲み物を差し出した。
jp「……はい!」
tt「……え?」
jp「……これ、好きかなって」
tt「…………」
たっつんは、缶を見つめた。
それから。
tt「……ありがとな」
小さく笑った。
……よかった。
jp「……たっつん」
tt「……ん?」
jp「……今日、何かあった?」
tt「…………」
……少しの沈黙。
そして。
tt「……仕事でな」
jp「……うん」
tt「……ミスばっかりしてもうて」
jp「……そっか」
tt「……なんか、今日は全然あかんかった」
jp「…………」
tt「……俺、いつも元気なだけが取り柄みたいなもんやからさ」
jp「…………」
tt「……こんな日、どうしたらええか分からへんねん」
……あ。
そんなふうに、思ってたんだ。
jp「……たっつん」
tt「……ん?」
jp「……元気じゃなくても、いいよ」
tt「…………」
jp「……俺、元気なたっつんだけが好きなわけじゃないし」
tt「…………」
……あ。
jp「…………っ」
……今。
俺、何て言った?
tt「……じゃぱぱ?」
jp「……え?」
tt「……今、好きって」
jp「…………」
……あ。
言った。
……言っちゃった。
jp「……っ、いや!」
tt「…………」
jp「……その!」
……どうしよう。
でも。
ここでごまかしたくない。
jp「…………」
俺は、ゆっくり息を吸った。
jp「……うん」
tt「…………」
jp「……好き、だよ」
tt「…………」
……静かになった。
車の音も。
遠くの話し声も。
全部、聞こえなくなった気がした。
〜たっつんside〜
……好き。
今。
じゃぱぱが。
俺のこと。
好きって。
tt「…………」
……え。
tt「…………は?」
jp「……たっつん?」
tt「……ちょ、待って」
jp「……うん?」
tt「……もう一回、言って?」
jp「…………っ!」
jp「……ええ!?」
tt「……頼む!!」
jp「……もーー!!」
じゃぱぱは、顔を真っ赤にした。
でも。
少しだけ笑って。
jp「……たっつんが、好き」
tt「…………」
……あかん。
tt「…………っ」
……嬉しい。
嬉しすぎる。
tt「……ほんまに?」
jp「……うん」
tt「……俺で、ええん?」
jp「……たっつんがいい」
tt「…………」
……なんや、それ。
そんなこと言われたら。
tt「……俺も」
jp「……ん?」
tt「……俺も、めっちゃ好きやで」
jp「…………っ」
tt「……ずっと、好きやった」
jp「……知ってるよ」
tt「……せやな」
ふたりで、小さく笑った。
……ああ。
やっと。
伝わったんやな。
俺の気持ち。
ずっと、ずっと。
好きって言い続けてきた。
でも。
今日。
初めて。
同じ言葉が返ってきた。
tt「……じゃぱぱ」
jp「……なに?」
tt「……付き合ってくれへん?」
jp「…………」
……一瞬。
じゃぱぱは、目を丸くした。
それから。
ゆっくり笑って。
jp「……うん!」
tt「…………」
jp「……よろしくね、たっつん」
tt「…………っ!!」
tt「……よっしゃあああああ!!」
jp「わっ!?」
tt「やったああああ!!」
jp「ちょ、たっつん!! 声大きい!!」
tt「無理やって!!」
jp「……ふふっ!」
tt「だって!! じゃぱぱが!!」
jp「……うん?」
tt「……俺の恋人になってくれたんやで!?」
jp「…………っ!!」
jp「……もーー!!」
……ああ。
ほんま。
幸せや。
〜じゃぱぱside〜
……付き合っちゃった。
俺。
たっつんと。
jp「…………」
……なんだろう。
不思議な感じ。
今まで。
恋愛は、少し怖かった。
また、すれ違うかもしれない。
仕事が忙しくなって、会えなくなるかもしれない。
……でも。
今は。
それでも、いいと思えた。
だって。
たっつんとなら。
ちゃんと話せる気がするから。
jp「……ねぇ、たっつん」
tt「ん?」
jp「……ひとつ、お願いしてもいい?」
tt「……なんや?」
jp「……落ち込んだときは、ちゃんと言ってね」
tt「…………」
jp「……俺、たっつんが元気ないときも、一緒にいたい」
tt「…………」
jp「……楽しいことだけじゃなくて、嫌だったことも聞きたい」
tt「……じゃぱぱ」
jp「……うん?」
tt「……ほんま、ありがとうな」
jp「……ふふっ」
たっつんが、そっと手を差し出した。
tt「……手、つないでもええ?」
jp「…………っ」
……え。
今さら、そんなこと聞くの?
jp「……うん」
俺も、手を伸ばす。
そっと、指先が触れて。
手のひらが重なった。
……あったかい。
tt「……じゃぱぱ」
jp「……ん?」
tt「……めっちゃ好きやで」
jp「…………」
……また。
でも。
今日は。
jp「……俺も」
ちゃんと、言えた。
tt「…………」
jp「……ふふっ」
……あ。
たっつんの顔。
真っ赤。
jp「……ねぇ、たっつん」
tt「……なんや」
jp「……照れてる?」
tt「……照れとらん!!」
jp「……絶対照れてるじゃん!」
tt「……じゃぱぱもやろ!!」
jp「……っ!!」
……ふたりで笑った。
夜の駅前。
人通りは、少なくなっていた。
でも。
俺たちの時間は。
なんだか、始まったばかりのように感じた。
〜翌日・会社〜
hr「……たっつん?」
tt「……ん?」
hr「……今日、めちゃくちゃ元気だね笑」
tt「せやろ!?」
mf「……昨日と別人」
no「たしかに元気ですね? 何かいいことでもあったんですか?」
tt「…………」
……ふふん。
聞きたいか。
tt「……実はな」
hr「……うん?」
tt「……俺」
mf「……なに」
tt「……じゃぱぱと」
no「……?」
tt「……付き合うことになってん!!」
…………。
…………。
hr「……えええ!?」
no「おおおお!!」
mf「……まじ?」
tt「まじや!!」
hr「……すごいじゃん!!」
no「おめでとうございます!!」
mf「……よかったね」
tt「……おう!!」
……嬉しい。
ほんまに。
ずっと、好きやった人と。
やっと、両想いになれた。
tt「……いやぁ、俺、幸せやわ!!」
mf「……知ってる」
hr「……顔に出てるよ笑」
no「ふふっ!」
……ああ。
今日も、頑張れそうや。
〜同時刻・ホストクラブ控室〜
dn「……じゃっぴ?」
jp「……ん?」
dn「……なんか今日、機嫌よくない?」
jp「……え?」
ya「分かる!! ずっとにやにやしてる!!」
ur「……何かあった?」
jp「…………」
……あ。
やばい。
dn「……もしかして!」
ya「……たっつん!?」
jp「…………っ!!」
ur「……あー」
dn「……えええ!?」
ya「……なになに!?」
jp「……その」
……どうしよう。
……でも。
言いたい。
だって。
嬉しいから。
jp「……実は」
dn「……うん!?」
jp「……たっつんと」
ya「……うん!?」
jp「……付き合うことになった」
…………。
…………。
dn「ええええええ!?」
ya「うそおおおお!?」
ur「……まじか」
jp「……まじ」
dn「……おめでとぉぉ!!」
ya「やば!! すげー!!」
ur「……よかったじゃん」
jp「……ふふっ、ありがとう!」
……ああ。
こんなふうに。
みんなに祝ってもらえるなんて。
jp「…………」
……幸せだなぁ。
〜たっつんside〜
その日の夜。
仕事を終えて、スマートフォンを見る。
じゃぱぱから、メッセージが届いていた。
『今日もお疲れさま!』
『ちゃんと休んでね!』
tt「…………」
……ふふっ。
俺は、すぐに返信した。
『ありがとうな!』
『じゃぱぱも無理せんといてな!』
少しして。
『うん!』
『たっつん、大好き!』
tt「…………」
…………。
tt「…………っ!?」
……あかん。
tt「……可愛すぎるやろおおお!!」
近くにいたヒロくんが、びくっと肩を揺らした。
hr「……たっつん!?」
tt「……すまん!!」
hr「……またじゃぱぱさん?笑」
tt「……せや!!」
hr「……ふふっ」
……ほんま。
恋人になった途端、こんなに可愛くなるんか。
いや。
もともと可愛かったけど!!
tt「…………」
俺は、スマートフォンを握り直した。
……これから。
楽しい日ばっかりじゃないかもしれへん。
仕事で落ち込む日もあるやろうし。
すれ違うことだって、あるかもしれへん。
でも。
そのたびに。
ちゃんと、話そう。
……ふたりで。
tt「……俺も、大好きやで」
小さく呟いて、返信した。
〜じゃぱぱside〜
閉店後。
俺は、スマートフォンの画面を見つめていた。
『俺も、大好きやで』
jp「…………っ」
……ふふっ。
……やっぱり。
嬉しいな。
俺は、ゆっくりと目を閉じた。
あの日。
たっつんは、言ってくれた。
『俺の前では、無理せんでええからな』
そして。
昨日。
俺は、同じことを伝えられた。
……恋人って。
どちらかが、ずっと支えるものじゃない。
どちらかが、ずっと笑わせるものでもない。
疲れた日は、寄りかかって。
元気な日は、笑い合って。
……そうやって。
ふたりで、歩いていくものなんだ。
jp「……たっつん」
小さく、名前を呼ぶ。
そして。
jp「……これからも、よろしくね」
窓の外には、優しい月明かりが差し込んでいた。
もう。
恋を怖がらなくていい。
だって。
俺の隣には。
いつもまっすぐで。
少しうるさくて。
世界で一番、俺を笑わせてくれる人がいるから。
――第6話 END――
第6話、読んでくれてありがとうございます!!
ついに!!
たつじゃぱ、両想いになりました!!
まじで全米が感動しちゃう(?)
いつもじゃぱぱを追いかけていたたっつん。
でも今回は、じゃぱぱの方から「好き」と伝える展開でした!
落ち込んだときも、元気なときも。
お互いを支え合えるふたりになってほしいなと思います!
これにて、たつじゃぱ編はいったん完結!
でも、ふたりの恋人生活はまだまだ続きます!
そして次回からは……。
いよいよ、なおゆあ編スタート!!
いつも余裕たっぷりのなおきりさんと、すぐに照れちゃうゆあんくん。
そんなふたりの関係に、大きな変化が!?
次回・第7話「その余裕、崩してみせる。」
♡200もありがとうございます😭
まじでモチベーションになりすぎて滅
テスト期間まで毎日投稿頑張るので応援よろしくお願いします🥺
Next → ♡30
コメント
2件
ちょ泣くって😭 というか次なおゆあ?最高じゃん!
いやあ……ついに来ましたね、この瞬間! たっつんがずっと一方的に好き好き言ってるのが切なくて、でもじゃぱぱの「元気ないたっつんにも会いたい」って優しさにじわじわ来ました。支える側だったじゃぱぱが「今度は俺の番」って手を差し出す構図、めっちゃ好きです。そして「好き」が返ってきたときのたっつんの「もう一回言って?」で思わず笑顔に。お互いの気持ちがようやく重なって、本当によかった……! 次回のなおゆあ編も楽しみにしてますね!