テラーノベル
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夕暮れの美術室は、窓から差し込む光でオレンジ色に染まっていた。
床には描きかけのパネルや絵の具の缶が散らばり、独特の匂いが漂う。
☔️「よいしょっ … っと!」
こさめは抱えた画材の箱を机に置き、勢いよく息をついた。
☔️「ふぅー! バスケットボールより重いよ、これ!」
🍍「 … ボールより重いって、それ相当だな」
筆を洗っていたなつが、思わず口元を緩める。
🍍「手伝ってくれて助かるよ、こさめ」
その一言は淡々としているのに、声も笑顔も真っ直ぐで。
心臓を撃ち抜かれたように、こさめは一瞬固まった。
☔️「え、えへへ……! べ、別に大したことないって!
こさめバスケ部のマネだから、重い荷物とか慣れてるし!」
慌てて胸を張ると、なつは真顔でこくりと頷いた。
🍍「なるほど。……じゃあ、うちの部に正式に助っ人で入ってほしいくらいだな」
☔️「えっ、!?」
思わず裏返った声を出すこさめ。
☔️「そ、そんなの無理だよ! こさめ、絵なんて全然描けないし!」
🍍「別に描かなくてもいい。ここにいてくれるだけで、なんか安心する」
その瞬間、こさめの頬は一気に真っ赤に染まった。
☔️(ちょ、ちょっと……なに今の! さらっと言うことじゃないでしょ!?)
☔️「……なつくんって、そういうこと、よく言うの?」
勇気を出して聞いてみると、なつは小首をかしげただけだった。
🍍「え? 別に普通に思ったことを言っただけだけど」
☔️「……っ!」
こさめは胸を押さえ、椅子にどさっと腰を下ろした。
☔️「な、なんかずるいよ……」
小さくつぶやいた声は、キャンバスに向き直ったなつには届かなかった。
けれど、その真剣な横顔を見ているだけで、こさめの心臓は止まる気配を知らなかった。
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