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雨の降りしきる真夜中…
人通りの無い道の脇に、一台の車が静かに停車した
車の中には人影が2つ…
この車の所有者である【岩本照】と…
「照…今まで、本当にありがとう…」
その助手席には、同じグループの【深澤辰哉】の姿…
「ほら、そんな顔しない!本当に照は優しいんだから…」
深澤は、苦笑いしながらそう告げるが…
岩本は、黙ったまま辛そうな顔で深澤を見つめていた
「全く…」
今だ何も喋ろうとしない相手に、眉を寄せると
「ごめん…本当に、ごめん…」
ようやく口を開いた岩本から出て来たのは、謝罪の言葉…
「もう分かったから…照は何も悪い事何てしてないんだから、謝らなくて良いんだよ」
そう言って困った様に笑う顔は、どこまでも優しく
「それじゃあ、俺はここで。明日からは今までと関係性は変わるけど…これからは、メンバーとしてよろしくね」
明るく言った深澤は、振り返る事なく車を降りて歩いて行く…
「………」
岩本は、その後ろ姿が見えなくなるまで
ずっとその背中を見つめていた…