※CoCシナリオネタバレあり・捏造
・スワンプマン
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1.スワンプマン(いえ視点)
そこは真っ白な部屋だった
感情がないとでもいうのだろうか
ただ、佇んでいるだけにみえる
「ようこそ、人の子たち」
「こんな果てに、どのような御用でしょうか」
「キミが、、母体でござるか?」
信じられなかった
母体というくらいなのだから…もっと…
「…人類のために、死んでもらえるでござるか?」
「そうですか、わかりました」
「では、どうぞ」
驚くほどに、抵抗をしない
「キミを殺したら沼男は…どうなる」
「…選ぶのは貴方」
「私を殺したら、我が子達も死ぬ。」
やっぱり…そうなのでござるか
躊躇ってしまう。友が、沼男だから
「我が子の数は…134万5631体」
「あなたの身内、あなた自身も含まれているかもしれません。選ぶのは、あなた」
…でも、でも
正しくない、この状況は正しくない…
母体には、消えてもらうしかない
誰かが、やらなければいけないことだから
その誰かが拙者だというのなら。
決断をしないといけない
…そっと母体の首に手をかける
「いいんですか!?」
後ろから叫ぶような声が聞こえた
「その子を殺したら、茶子さんや善くんまで」
「わかってる!!!」
「わかってるでござるよ……」
「でも…でも、誰かがやらなくちゃいけないことでござる」
そうだ。決断をしなくちゃいけない
母体を殺す決断
友を殺す決断
…皆は、助けれないでござるよ
誰かを犠牲にしなければ、誰も
首にかけていた手に力を込める
「ごめんなさい…」
何百万もの人を殺す
大切な人から奪ってしまう。
ごめんなさい。ごめんなさい。
謝っても許されないだろう
涙が零れてくる
茶子殿、善殿。
助けれなくて…ごめんなさい
母体はあっけなく生命活動を停止する
手についた生々しい感覚は、消えることはない
深紅の瞳は、光を失い濁っていく
人を、人を殺した。
そのせいで大勢が死ぬ
…考えていたよりずっと、ずっと辛い
ああ…ああああ……
足に力が入らない
涙が溢れてくる
友なんて、大切なんて作らなければ
…こんな悲しくはならなかった
辛くはならなかった
大切なんていらない。もう、いらない
いつか消えてしまうのなら…
「ああぁあああああ…!!!!」
もう、大切なんていらないだろう。
空間の崩壊が始まる。
真っ白な部屋が崩れていく
「家元さん…いまは逃げましょう!」
そうだ、死ぬわけにはいかない
涙を拭う。立たなければ
足にうまく力がはいらない
けれど走らなきゃ死ぬ
罪を、背負わなければいけない
死ぬわけにはいかない
螺旋階段の先には
泥、泥、泥
感傷に浸る暇などない
早く、屋敷からでなければ
大きな物音を立て、何もなかったのような更地が広がる
まるで嘘だったかのように、何もなくなった
はやく、帰ろう。
「あ…」
芽々殿は何かいいたげにこちらを向いた
…人と話す余裕なんてなかった。
逃げるようにその場を離れた
1ヶ月が経った
今でも…2人のことばかりを考える
泥を見かけると
その度にあの光景フラッシュバックする
…きっと、拙者が沼男だったのなら。
こんな結末にはならなかった。
茶子殿も、善殿も生きていたはずだ
代わりに沼男になれていたら
きっとこれからも拙者に蝕んでいく
「選ぶのはあなた」
今日も呪いのように頭から離れない
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2.スワンプマン(茶視点)
ながい、ながい螺旋階段を降りた先
そこには辺りを青白く照らす結晶
私たちが探していたヒト
その回りにはたくさんの…肉塊
隣にいた2人は、いつからか消えていた
きっと、さらに下にいったのだ
でも、善くんはかえってきてくれた
何か話していた気がする
もう、もうどうでもいい
…善くんが泣いている
きっと怖いのよね、大丈夫。大丈夫だよ
「茶子さん…足が…」
足の感覚が消える
立つことができない
善くんも、足がなくなり初めている
すべて消えてしまう前に
「ああ、善くん…大丈夫、大丈夫だよ」
目の前の彼は何が起こっているのかを知らない
きっと、知りたくない
手の感覚も消えていく
最後だから、もう触れることはできないのだから。
そっと彼の頬に触れる
「大丈夫…わたしの目をみ、て…?」
善くん、ごめんなさい
こわかったよね、つらかったよね
もうどんなに頑張ったって声はでない
思考もできなくなる
(茶子さん!)
最後に、そう彼が呼んでくれた気がした
コメント
11件
どちらの視点も原作をなぞりつつ、新しい心情描写があって引き込まれた…! 個人的に御茶屋さんの描写が好きすぎる…!!
めめ村のクトゥルフ最高すぎて沼る