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4 - 五条夏油 傑へ告白

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2025年06月06日

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校舎の廊下。

誰もいない放課後、窓から差し込む夕陽が長く影を伸ばしていた。


僕は、傑のことを考えていた。


正直、僕は傑のことが好きだ。

ただの親友でも、仕事仲間でもなくて、恋愛として、彼のことを想ってる。


でも――言えない。

自分でも、なぜか言えない。


「傑は俺のこと、どう思ってるんだろう」


そんな疑問が頭をぐるぐるして、心臓がぎゅっと締め付けられる。



「……悟、また考え事かい?」


教室で傑が近づいてきて、僕の肩を軽く叩いた。


「……ああ、そうかな〜」


顔を上げると、彼の笑顔が眩しすぎて、言葉が詰まる。


「傑……俺はさ、」


言いかけてやめる。


何も言わないほうがいいのかもしれない。

素直になれば壊れてしまう気がした。


「また変な顔してるぞ。悟らしくない」


「……そうかな」


「?……隠すなよ」


傑はそう言いながら、ほんの少し真剣な表情を見せた。


僕は目を伏せて、指先で机の縁を擦る。


「……俺……僕は、傑のことが好きだ。……ただ、恋愛として」


その言葉を言った瞬間、心臓がドクンと跳ねた。


でも、言ったからって何も変わらなかった。


傑は、いつものように、少しだけ間をおいてから、言った。


「……そうか」


その一言が、あまりにも冷たくて。

僕は胸の中で、叫んだ。


「もっと言ってよ、俺のことどう思ってるのか」


でも、口から出たのは、「わかんない」だった。



その夜、部屋でひとり天井を見上げる。


好きだって言うのは簡単なのに、

どうして僕は、素直になれないんだろう。


傑のことを想うたびに、

「自分には価値がない」って思いそうになる。


傑は強いから、完璧だから、だから僕はきっと、

弱さを見せられない。

壊れるのが怖い。


でも、それでも、傑の笑顔を見たい。

傑の隣にいたい。



次の日、学校の屋上で傑を待つ。


傑は来たとき、少し驚いたようだった。


「なんだよ、悟」


「……昨日のこと、もう一度話したい」


傑はゆっくり座って、僕の目をじっと見た。


「好きだって言ったけど、俺……僕はまだ怖い。怖くて素直になれない。傑に嫌われるかもしれないって」


傑が静かに口を開く。


「私も怖いよ、悟。君に本当の弱さを見せて、距離を取られるのが」


「でも……だから、もう隠さない。俺は傑のこと、本気で好きだ。これからどうなるかはわからないけど、一緒に歩きたい」


傑は微笑んだ。


「そう言ってくれて嬉しい。私もだ」


その時、僕らはほんの少しだけ、距離を縮めた気がした。



それからの日々は、ぎこちなくて、時にぶつかり合いながらも、

僕と傑は、言葉にできない距離感を少しずつ埋めていった。



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