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「こんな、こんなことがあってたまるか!」
絵心甚八は目の前で繰り広げられている光景に、手元のコンソールを叩いた。
分厚い眼鏡のレンズに、映り込んでいるのは、候補生同士の、セックスシーンだ。しかも、アナルセックス。
ここはブルーロックの中枢であるコントロールセンター。
壁面いっぱいに、液晶パネルが埋め込まれており、施設内のあらゆる場所に設置された監視カメラの映像が、ライブで映し出されている。
監視カメラがあるのは、候補生の個室も例外ではない。
プライバシーの侵害ではあるが、生活態度など見張る為、管理対象として観察する為、仕掛けられてある。無論、候補生には隠匿されている。
照明の薄暗い部屋で、煌々と光る液晶パネル。
『オラ、オラ、気持ちイイんだろ、イケ、イケ!!』
『あっ、あっ、ああん! イク、イク、イクからぁ!』
アダルトビデオ並みに、激しく行われている、性交場面が映し出されている。
この日は馬狼照英と、昨夜は烏旅人と。その前は……。
夜毎、候補生をとっかえひっかえして抱かれているのは、
「潔世一……!」
角度を変えても、確かに肛門に性器が挿入されているのが、はっきりと確認出来た。
潔世一は、マワされている。
見る限り、自分から進んで身体を開いている。
前代未聞だ。
ここは、才能の原石が集まる、トップストライカー養成機関だぞ。
セックスライフを楽しむ場所ではない。
元より、サッカー選手の肉体は骨盤底筋から、腹横筋、腹斜筋、腹直筋が鍛え上げられて発達しているので、肛門はそう簡単に開かない。
子供が遊びでするカンチョーでも、指が折れる程、その抵抗は強い。指先さえも埋没しない。
その固く守られた肛門に、ああも易々と性器を受け入れられる筈がない。
潔世一は、例外だ。何かがおかしい。
監視対象だ。
慢性寝不足の絵心の目の下の隈が、一層濃くなりそうな、案件だった。
ファイ、オー、ファイ、オー、ファイ、オー、ファイ!
体力作りの基本メニューの一部で、才能の原石どもが隊列を組んで、ピッチ上をランニングしている。
絵心はイライラして、右手親指の爪を噛みながら、その光景を見ていた。
「アンリちゃん!」
側で控えている帝襟アンリに背中で呼びかける。
「は、はいぃ!」
アンリが飛び上がる。
「潔世一のコンディションは? パフォーマンスは落ちていないか?!」
「は、はい。いずれも良好で、特に問題は見られません」
アンリが、潔世一のあらゆるデータが集積されたタブレット端末の画面を示した。
「ふむ」
確かに数値上は問題ない。正常だ。
「トレーニングの手を抜いてはいないか」
「サボらずキッチリこなしています」
タブレットをアンリに返し、絵心はギリリと歯がみする。
「午後、潔世一を医務室に呼び出せ!」
「はい! 分かりました。通達しておきます!」
何も知らないアンリは、敬礼した。
「用ってなんすかぁ」
医務室に現れた潔世一は、ダルそうだった。
練習を終えた午後は、疲れで候補生たちは疲弊している。スケジュールはびっちり埋まっており、本来なら仮眠を取るべき時間帯だ。それを削って、潔世一を呼びつけた。
絵心は座っていたチェアをぐるりと回すと、潔世一を向き直った。
「よく来たな。これから、貴様の検診をする」
「俺、どこも悪くないっすよ」
「とやかく言うな。下を脱いで、そこの寝台に四つん這いになれ」
「は?」
潔世一は、固まっている。
「手間取らせるな! いいから、下をはだけて寝台に上がれ!」
「……」
潔世一は、渋々と下の着衣を脱ぎ捨てると、下半身をむき出しにして、寝台に上がり、四つん這いになった。
「これで、いーんすかぁ」
絵心はチェアから立ち上がると、右手にゴム手袋を嵌めながら無言で寝台に近寄った。
淡く浮かびあがる、張りがありながら、引き締まった臀部から、陰部にかけてをじっくり観察する。
菊座は美しい白桃色をしており、慎ましやかに蕾を閉じている。
絵心はそこに指を突っ込もうと試みた。
「?!」
潔世一が驚いて、肩越しにこちらを伺った。
しかし、指は一ミリも入らない。
固く締まり、指の方が折れそうな勢いで、跳ね返してくる。
「やはりな……」
「あんた、俺に突っ込みたいの?」
杞憂だったのか、と安心したのも束の間、潔世一は余裕ぶってそんな科白を吐いた。
「いいよ。ホラ、もういっぺんやってみな」
潔世一が力を抜いた。
絵心は再び菊座に指を突き入れた。
すると、どうだろう。あれだけ固く、拒絶されていた穴が、ズブリと指を飲み込んだではないか。
「な、なんだと?! プロサッカー選手には及ばないものの、おまえらもサッカー選手の端くれだ。四つの筋肉が発達しているから、ああも簡単に肛門に挿入出来る筈がない!」
そう言っている間にも、潔世一の肛孔は、絵心の指を勝手にどんどん飲み込んでいく。
「骨盤底筋って言うんだろ? ある程度、自分でコントロール出来るンだよ」
「風紀の乱れは、いずれプレーに影響を及ぼす。おまえは、イレギュラーだ!」
「ン……」
指を沈めたからか、潔世一が甘い吐息を漏らした。
絵心の意識が潔世一の中に沈めた指に集中する。狭く、熱い。本来、男性のそこは女性の膣と違ってゴム管のようなものの筈だ。だが、潔世一のそこは襞があって、濡れている。
「なんだ、これは……!」
「ふふ。俺が犯されてるとこ見ながら、シコッてたんだろ? どうせ部屋に付いてんだろ、監視カメラ」
潔世一が嫌らしく笑った。
「!」
絵心の中心に、予期せずして熱が集まった。
指を動かすと、それと連動して、
「あっ、あっ、ああん」
と、潔世一が啼く。
おかしい。
絵心の視界が狭窄した。
指を抜き去る。
と、潔世一が身体を起こして、絵心のズボンのチャックを下ろした。
ボロンと飛び出す、貧相な絵心のペニス。
「あんたでも勃つんだ。勃たせたことは褒めてやるよ」
「……!」
絵心は愕然としていた。
「俺に挿れたいだろ? 皆、俺にハメて、ハマっていくんだ。麻薬みたいなもんだよ。一度ヤったらやめられない。なぁ、あんたもハメてみないか?」
潔世一の誘惑に、絵心は興奮を禁じ得なかった。
はあはあと、息が荒くなる。
「ほら、挿れてみな。健全な男子高校生のアナルだぜ」
潔世一が尻を振った。
絵心はその尻を捕まえると、堪らずいきり立った己自身を、突き入れた。
「くううっ!」
細く長いペニスが、飲み込まれる。
肉襞が蠢いて、奥へ奥へと誘われていく。吸い込まれるようだ。
ああ、いい。すごい。なんて居心地が良いんだ。ここは天国か、楽園か。
「ひあああ、ああああっん!」
こいつ、なんて声で啼くんだ。
絵心は夢中で腰を打ち付け、やがて吐精した。
「くぅう」
候補生と、セックスしてしまった。
信じられない思いで、自らを抜き去り、潔世一の様子を伺う。
「今の、立派な犯罪だぜ。児童ポルノ禁止法だっけ? 俺、まだ、ピッチピチの17歳だもん」
潔世一が薄く笑って、脅しをかけようとする。
「おまえ、通報するつもりか」
「いいや。今のは黙っててやるから、俺が皆と関係を持つのを黙認しろ」
なんと横暴な取引だろうか。
「な……」
「なぁ、絵心サン」
耳許で、潔世一が囁く。
「……!」
こいつこそ、エゴイストだ。
ここはブルーロック。
飢えたケダモノの吹きだまり。