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39
牙央
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夏休み前でみんながワクワクしているところに転校生が来た
皆
「どんな子かな?」
「かわいい子こね〜かな」
「イケメンがいいな〜」
とざわざわしている
担任が教室のドアを開けた瞬間クラスの空気が変わった
「今日からこのクラスに入る黒瀬レイです。よろしく」
低めの声
さらりと流れる黒髪
軽く立ってるだけなのに絵になる
女子たちは一瞬で恋に落ちた
「え、待って顔良……」
「少女漫画?」
「やばい無理好き」
黒瀬は軽く会釈する。
「仲良くしてくれると嬉しい」
その笑顔で数人が机に突っ伏した
休み時間
黒瀬の席の周りには女子が殺到していた
「黒瀬さんって彼氏いるの!?」
「好きなタイプは!?」
「休日なにしてるの!?」
「んー……寝てる」
「「「かっこいい……」」」
意味がわからない
まさにカオス状態
そんな騒ぎの中
窓際で一人本を読んでいる女子がいた
三つ編みで丸メガネで地味
ザ、陰キャだった
「あの子誰?」
「あ、え?あのこ?小日向まどかちゃんだよ」
黒瀬はちらっと彼女を見る
だが小日向は一切興味を示さない
「……」
翌日
「小日向さん、おはよう」
「…?………おはようございます」
「その本、面白い?」
「普通です」
会話終了
周囲がざわつく
「黒瀬さんから話しかけた!?」コソッ
「しかも小日向さんに!?」コソッ
ザワザワ
しかし小日向は何事もなかったように本へ視線を戻した
「……ふふ」
なぜか嬉しそうだった
数日後
体育の時間
小日向が高い棚の上のボールを取ろうとしていた
グラッ
踏み台が傾く
「危なっ――」
その瞬間。
黒瀬が小日向の腕を掴みそのまま支えた
壁ドンみたいな距離
教室が静まり返る
女子たちの脳が焼けた
「………ごめん」
「いいよ」
「大丈夫?」
「……はい」
「怖くなかった?」
「別に」
「……そっか」
黒瀬しょんぼり
クラス騒然
「え!?」
「黒瀬さんが落ち込んでる!?」
「小日向さん強すぎる!!」
放課後
屋上
「なんで落ちないんだろ……」
「何がですか」
「うわっ!?」
いつの間にか後ろに小日向がいた
「……小日向さんって、私のこと何とも思わないの?」
「優しい人だと思います」
「さっき助けてくれたので」
「それだけ?」
「それだけです」
即答
黒瀬はガクッと膝をついた
「初めてだ……」
「?」
「みんな顔ばっか見てくるからさ……ちゃんと普通に話してくれる人初めてで……//」
小日向は少し考えてから口を開く
「顔しか見ない人より、いいと思うんですけど」
「……!」
その瞬間
黒瀬の顔が赤くなる
完全に恋だった
翌日から
「小日向さん、一緒帰ろ」
「えっと…」
「お昼も一緒食べよ」
「………」
「あとその三つ編みほどいたら絶対かわいい」
「なんなんですか急に」
距離が近い
明らかに特別扱い
女子たちは泣いた
「黒瀬さん今日もイケメン……」
「でも見てるの小日向だけじゃん……」
「敗北確定演出すぎる……」
一方、小日向は
「…騒がしいです……」
「嫌?」
「……少し」
「ごめん、気をつける」
しゅん
「……でも…」
「?」
「隣にいるのは、嫌じゃないです//」
黒瀬硬直
数秒後
「…………好き」
『心の中の声漏れてます///』
その日「黒瀬さんは小日向さんにだけ激弱」や「小日向さんはツンデレ」などの色々な噂が学校中に広まった
次の話…………15♡