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春の終わり。中学卒業を控えたある日、敬太はふいに目覚めた。
その朝、汗でぐっしょりとシャツが濡れていた。
心臓が、焼けつくように痛む。
『はぁはぁ……まただ……。』
また“あの男”の夢を見たのだ。
白衣を着た、目元の隠れた男。
彼が良規(=敬太)を冷たく見下ろしながら言った言葉が耳にこびりついていた。
“また、お前たちは愚かに愛するのか。滑稽だ。何度、終われば気がすむ?”
その時、敬太は確信した。
あの存在は、ただの夢の産物ではない。
自分たちの“愛の結末”を、繰り返し見てきた何かだ。
そして、2人をまた引き裂こうとしている。