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『今朝、“牧原絆ちゃん”を連れ去ったと見られる“バーテンダー風の男性”は、、、』

ああ、マジだ。師匠、何やってんだよ。ジュースだけ作って『BAR96』で待っててくれりゃ、それでいいのに。

「まさか。こんなことになるなんて、だね」

市営バスに揺られながら『BAR96』に向かう僕らは、気が気じゃない。・・ハズなのに。なんで、おまえ。そんな悠長(ユウチョウ)にしてんの??

「え?だって、あの師匠だよ??」

・・ヘンタイってとこは、認めてんのか。なのに尊敬してるって、どーゆー神経してんだ?ーーーーいや、ちがうだろ!?人さらいだぞ?ヘンタイに許される業の域を超えてるだろ!正気か!?

「わかってる。冗談だよ、冗談」

ホントかよ。

東京タワー・・が、ショーウィンドウに飾られた模型店をすぎ、やがて、バスは『BAR96』のある森の入り口に着いた。・・森??

「森の中にあったっけ?BAR96」

んなワケねーだろ。

バスの座席を見渡すと、先ほどまで乗っていた『乗客』は消え、ユズの皮が、座席の真ん中に盛られている。奇妙な景色が広がっていた。こんな、悪趣味な陰陽師は、四季町にひとりしかいない。

「お客さん」

運転席に座っていたはずの運転手がすぐ横に立っていた。歩いたワケじゃなさそうだ。

「終点ですよ?憂き世(ウキヨ)に未練たらたらなんですねぇ。でもね、あたしゃあ、困りますねぇ。降りてくれなきゃァ“ァァアアァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアァ”」

運転手の肌の下から柑橘類の斑点が浮かび上がり、デロデロと、オレンジの果汁が運転手の眼球や毛穴から膿のように流れ落ちた。ヘタなゾンビよか、こっちの方がグロい。マジで、キモい。やっぱ、そうそう簡単には“本丸“まで行かせてくれねーみてぇだな。

「師匠。やりますね」

バカッ?褒めてどーすんだ。あの“果汁100%野郎”ブッ飛ばして、師匠になんで少女誘拐なんかしたのか、力づくで聞き出してやるんだよ。わかってんのかッ!?

「プッ。“果汁100%野郎”?もう考えたの??・・わかってる。やる時は殺るよ」

どうだかな。・・無理だったら“代わる”用意はしとけよ?死なれちゃ、困るからな。

「了解」

「何を悠長に話してやがる‼︎‼︎」

両腕から“果汁”をベトベト垂らしながら、師匠の使役霊(シキガミ)が『グルルルル』と苛立っている。超絶、キモい。べつに、逃げやしないのに。短気なヤツだ。しかし。あいつ、いいこと言うなぁ。悠長か。脳汁果汁のくせに、意外と難しい日本語知ってんだな。僕が、あいつの脳天にーーー

「うるさいッ!兄さん」

「そーだ。五月蝿いですよ‼︎喰らえッ‼︎‼︎‼︎柑橘系爆劣(オレンジバースト)」

“運転手だったモノ”の眼球や毛穴から、膿のようにドロッと流れ落ちた“オレンジ色の液体”が、木のツルのような動きでボクに襲いかかった。植物タイプの使役霊(シキガミ)にしては強すぎるな。師匠の使役霊(シキガミ)だから、当然か?

「ぐ・・あぅ」

・・・・ッ!!!!

さながらマトリックスのように、シュッとかわそうと身体を逸らしたボクの左頬を、ツルが擦り。血が数滴、バスの床を緋く染めた。このバカッが!!あのヘンタイ天才陰陽師の本気使役霊(ガチカミ)だぞ!!?無理そうなら“代れ”って言ったじゃねーか!!!あ??

「はは・・“ヘンタイ天才陰陽師”?なんだそれ」

・・冗談じゃねぇんだぞ。

「ごめん。気をつけるよ」

「余裕はないはずだぞ?ほら、撃ってこい。陰陽師の力を見せてみろ‼︎魅せてくれ‼︎‼︎‼︎」

「あいつ。なんで“僕”の陰陽術(レイノウ)が“撃つ”能力だって、知ってるんだ!?」

だれがあの果汁100%野郎をけしかけたんだ?よく考えろ。脳汁果汁にバカがバレたらどーすんだ?

「あ、そっかぁ。師匠がーーーー」

「隙アリ」

ズシッと、腹部に衝撃が走り、横腹の一部が“消し飛ん”だ。

い、痛ッ‼︎

「い、痛ッ」

「アレアレアレアレ‼︎?腸まで削ったのに、なんで死なないんでしょうね‼︎‼︎?不思議ですねッ」

・・そういうことかよ。僕が“憑いて”んのに、そう簡単に死なせるワケねーだろ。

「ーー死なない?それは、つまり“殺す気だった”と受け取っていいんですね??師匠」

おまえ、まだ師匠(ヤツ)のこと信用してたのか。もう、ブッ飛ばすくらいじゃ収集がつかないトコまで来てんのに。いい加減気づけ、バカ。死ねぞ?

「わかった。もう躊躇(ためらい)はしないよ」

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ‼︎‼︎‼︎‼︎」

ーー来るッ。

一瞬の静寂の後。カンッ、と鉄パイプが落ちる音が響いたのを“皮切り”に、オレンジの化け物は、脊髄から果汁の鎌を発現させ、ボクの喉元に斬りかかった。死んじまうぞ、本当に‼︎‼︎

「助けてッ」

「・・・・ッ‼︎‼︎‼︎‼︎?」

僕はニヤッと八重歯を剥くと、右手で“果汁鎌”の刃先を掴み、バキバキッとネジ切った。指が飛んだらどうするんだよ?兄さん。

「ああ?おまえが“助けて”って、願ったんだろうが??あッ!?文句あんのかッ」

ないよ。ないない。

「テキトーに話すんじゃねェッ‼︎‼︎‼︎」

「これが。純粋な“絆”から生まれる、“並の使役霊(シキガミ)にはあり得ない“チカラ・・なるほど、まさに化け物、ね」

いや、いや。ボクらだってーーー

「果汁100%化け物に言われたかねぇよ!!!」

あ、先にいわれた。

「バケモンだかポケモンだか知らねーがな!」

兄さん。それ、ダメなヤツ。

「うるせぇ!なんだかんだと言われてもなぁ!!おまえが“能力みせろ”っていったからこーなったんだからなぁ‼︎‼︎・・後悔、すんじゃねーぞ」

「いいわ。来なさいよ」

“何か”を警戒しているのか。師匠の使役霊(シキガミ)の“果汁鎌”が、薄く伸びて。硬い盾のように変形していくのがハッキリとわかった。問題は、“どこまで“ボクら能力が解ってるのか、だ。3回までの変態が限度だという“リミット”は、まだ師匠にも話したことがない。兄さんが“破壊系”で、ボクが“頭脳系”という“タイプ”も、まだ師匠には話していない。兎に角、いまは玉砕覚悟でブツかるしかない。バレていたら、その時は、“その時間”(ソノトキ)だ。

いいよ、兄さん。

「嗚呼ッ‼︎‼︎魅せてやるッ‼︎魂の違いってヤツをな」

・・・中指。立てるなよ、兄さん。

幽霊探偵なんてやってられるか

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