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リオは目を覚ました。右を見るとギデオンが、左を見るとアンが眠っている。部屋が暗い。いつ眠ったのだろう。今は真夜中か? リオはゆっくりと起きて、静かにベッドを降りた。

頭の中がぼんやりとする。何かを考えないといけないのだけど、何も考えられない。ただ、東の門に行かなければと強く思う。

リオは棚の上に置いてある服を見たが、着替えている|暇《ひま》はないと、ブーツだけを掴んで部屋を出た。なるべく音を立てないように扉を開けて閉め、城の出口へと向かう。巡回をする騎士に見つからないように進み、外へ出た。

そこでブーツを履くと、東の門へと急ぐ。

なぜ行くのか、なぜ急ぐのかが全くわからない。ただ気が急くのだ。

月の明かりだけを頼りに進み、城壁を曲がったところで東の門が見えた。門の前に誰かが立っている。門兵か?違う。あれはケリーだ。

リオは、急いでいた歩みを止めて考えた。

どうして俺はケリーと会おうとしてるんだろ…。しかもこんな夜中に。考えなくちゃいけないのに、集中できない。このまま行っていいのか?

前方からコツコツと石畳を踏む音が聞こえてきた。リオが止まったから、ケリーの方から近づいてきたのだ。

ケリーが近づくにつれ、リオは少しづつ後退する。行かなきゃと思う反面、身体が拒否をしている。

どうする?城内に戻るべきか…。


「リオ、早く来い。約束しただろ」

「あ…」


ケリーの声を聞いた途端に、リオの身体がビクリと震え、足が前に出る。一歩二歩と前に出て、三歩目が出たその時、「待て」と低い声が響いた。

リオの腕が引かれ、身体が後ろに倒れる。


「あっ」

「黙って部屋を出るな。心配するだろう」


リオの後頭部と背中がギデオンの胸に当たり、力強い腕に拘束される。


「ケリー、これはどういう事だ。おまえはまだ謹慎中のはずだが?」


怒気を含んだ声に、リオは緩慢な動きで顔を上げる。ギデオンが怒ってる。かなり怒ってる。


「…謹慎中ですが、城下内であれば行動は制限されていません。リオとは昼の話の続きをするだけです。昼の時はリオがすぐに眠ってしまったから」

「なぜこんな夜中にする必要がある?」

「酒屋に行って酒を飲みながら話そうかと」

「リオはまだ成人していない。知っているだろう」

「でも冬には成人するのでしょう?少しくらい大丈夫です」

「規律の厳しい騎士が、規則違反を口にするとはな。ケリー、おまえには失望した。アトラス、ロジェ、ケリーを拘束しろ」


リオは|未《いま》だぼんやりとしていた。ぼんやりと、ケリーが拘束され縄で縛られる様子を見ていた。

そんなリオに向かってケリーが叫ぶ。


「リオ!釈明してくれないか。ただ話しをするだけだってっ」

「え…」


リオはケリーを見て、次にギデオンを見上げた。

リオの視線に気づいたギデオンが、大きな手でリオの頬に触れた。

狼領主は俺を抱いて眠りたい

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