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医療所から帰ってきて、朋菜は足を引きずりながら歩く。
「……にしても、あの医者やっぱり怖かった」
「朋菜様は、ああいうのは苦手なんですね」
「そりゃそうだよ。ああいうの見たら、誰だって驚くでしょ」
「それもそうですよね」
朋菜と颯が話している横で、友樹が独り言らしきことを言った。
「朋菜の奴、ああいうのにすぐビビってたら、この先の時代とかどうすんだよ」
「……あ」
「……確かに。これから先、明治やら戦争が続く時代に近づいておりますから、朋菜様」
「え?」
「……今の友樹様の話、聞いてました?」
「聞いてなかった」
「だから、さっきの医者に怯えてたら、これからの戦争が続く時代をどうやって生きていくのかって聞いてたんだけど」
朋菜は医者の話からいきなり戦争の話に移っている事にやっと気づいたようで、慌てて返答を考える。
「何とか……生き抜いてやろうかって」
「朋菜のその心意気、いつまで続くのだろうな。日中戦争の時点で死んでるんじゃねーの?」
友樹が朋菜をからかう。朋菜は口を尖らせて拗ねる。
「そんな事ないもん!絶対に令和に生きて帰る!」
「どうだか」