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「なかなか酷い願いだね……マイロ」
「……そうですか? こんなに可愛い少女が、愛の言葉を囁いてあげてるのよ」
「そんなの……叶えないわけにいかないじゃないか」
ルイが覚悟を決め、マイロの細い指先を情熱的に握り返した、その瞬間だった。
「……あのー、僕もそのパーティー入りたいんですけど。……え、あぁ、お邪魔でした?」
岩陰からひょいと顔を出したのは、ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべた闇医者、ベルツだった。
「べ、ベルツ……っ! お前、いつからそこに……!」
ルイが真っ赤になって飛び退くのを、ベルツは肩をすくめて受け流す。
「最初からですよ。……最強の魔法使いと、狂犬騎士の逃避行か。特等席の治療師として、地獄の果てまで付き合ってあげますよ。……もちろん、報酬はたっぷり弾んでもらいますけどね?」
マイロは不満げに頬を膨らませるルイを横目に、不敵に微笑んでベルツを手招いた。
「いいですよ。ルイ姉をからかう『おもちゃ』は多い方が楽しいですから」
「マ、マイロ……っ!」
ルイの抗議を置き去りにして、マイロが天を指し示す。
三人を包み込むように、白銀の幾何学模様が展開された。
「――天を指し、地を蹴らん。大気よ、我が翼となれ」
朗々と響く、世界を書き換える言霊。
「『飛翔(エアリアル)』!!」
「うおっ……おい、揺らすなよマイロ!」
「ルイ姉、しっかり掴まっててくださいね!」
「おやおや、空飛ぶ馬車より乗り心地が悪いなぁ」
朝焼けの空を、白銀の軌跡が鮮やかに切り裂いた。
国を捨て、名を捨て、ただ「三人の呪い」だけを抱えて。
最強の逃亡者たちは、重力を振り切り、光の中へと消えていった。
第一章「銀嶺の審判」 終わり
天神みねむ!クリスタルがない人