青×白編 ―「交わる色、揺れる心」
※題名の通り青白、そして残りは消去法で桃黒です
天界の寮舎――
夜、白は書庫でひとり、書物を読みながら小さくため息をついた。
「……水君も、立派になって……俺だけ、取り残されてる気するわ」
その独り言に返答したのは、背後からの声。
「お前はお前で、ちゃんと見とるやろ」
「……青ちゃん?」
青が壁にもたれ、にやりと笑っている。
「水が立ち上がれたんは、白がおったからや。自信もて」
「……そ、そんなん言われたら、泣いてまうやろ」
「泣けよ。俺の前でぐらい」
白の頬が一気に赤くなる。
「な、なにさらっと言うとんねん!」
「お前、気づいとったやろ? 俺がずっと、お前のこと、見てたって」
「……うすうす、な」
青が近づき、白の本をそっと閉じる。
「じゃあ、俺にもはっきり答えてくれへん? 俺、お前のこと――」
「好きやで、青ちゃん」
その答えに、青が驚いたのは一瞬。
すぐに笑って、白の手を取った。
「せやったら、今夜からは俺のもんや」
「……うん、せやな」
――交わるはずのなかった二色が、穏やかに溶け合った夜。